アナログ・レコードのここがダメ「CD音質と比較して」

投稿日:2019年2月15日 更新日:

 

これまでの当ブログ記事(テストレコードなどのブログ)の知見を通して、アナログ・レコードが音質的に不利な点が多々見つかりました。

アナログレコードの音質を好ましく思っている一人で、本当はあまり言いたくは無いのでが、事実は事実として、ここでアナログ・レコードがCD音質に対して不利な点をまとめてみたいと思います。

 

 

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レコードがダメな点

低域共振(カートリッジとトーンアーム)が発生する

カートリッジのマス(質量)とトーンアームの長さで低域共振周波数が決まります。 対して、CDは回転系があるも、PCMデジタルデータを拾い取るだけで、本質的に共振する機械要素が無いので低域共振は発生しません。

 1)低域共振周波数を調べるには

テストレコード(AD-1)の「低域共振測定用低域周波数スイープ信号」を使って、クロストークが最も悪化する点の周波数を調べれば、その点が低域共振周波数になります。

スイープ信号のピーク部分が低域共振周波数です。

詳しくは、以下の記事をご覧ださい。

 2)低域ノイズの抑制方法

低域共振で不要なノイズが増大してしまいます。 レコードをハイレゾ録音する時に、VinylStudioのランブルフィルターを使用すれば、このノイズを抑制することが可能です。

VinylStudioのランブルフィター特性

VinylStudioのランブルフィルターは、以下の記事をご覧ください。

 3)低域共振でのクロストーク位相変化

低域共振部分で、左右チャンネルのクロストーク位相の変化をリサージュ波形で確認してみました。(下の動画は、Rchのスイープ信号とLchへの漏れ信号のリサージュ動画です)

 

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

左右CHのクローストークはゼロにできない

レコードは音溝の左右に記録されている凹凸に対して一本のスタイラス(針)で音をピックアップしているので、本質的に左右chの音を完全に分離できません。 対して、CDのデジタル録音の場合、クロストークを限りなくゼロにできます。[アナログマスターテープからCDを作成している(AAD、ADD)の場合も、クロストーク量が少ないテープレコーダーを使っているのでCDの方が有利の筈です。]

 1)クロストークは何故発生?

45/45方式のステレオは、マトリクス原理で1本のスタイラスでステレオ再生(LR分離)しています。 一方クローストークは、マトリクス原理に絡んでカートリッジのアジマス(レコード面に対する方位角)によって変化します。 クロストーク発生要因については、詳しくは以下の記事をご覧ください。

2)クロストークの改善

DENON・DL103Rカートリッジについて、アジマス調整によってクローストーク改善を行いました。 詳しくは、以下の記事をご覧ください。

 

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スクラッチ(プチ)ノイズが発生

バージンレコードであっても、レコードの離型剤等の残滓でプチノイズが発生します。  一方、CDは表面にホコリや傷が付着しても誤り訂正で、パルス的なノイズ音はありません。
でも、レコードをVinylStudioで録音してノイズ抑制機能を利用すれば、プチノイズは軽減できます。

レコードのスクラッチノイズ(例)

 

 1)プチノイズの抑制(自動)

レコードのスクラッチノイズ(上)を抑制すると

 

VinylStudioを使った実例と効果は、詳しくは以下の記事をご覧ください。

 2)プチノイズの抑制(手動)

プチノイズの抑制(自動)で取り切れない大きなクリックノイズは、手動で削減できます。 詳しくは以下の記事をご覧ください。

ターンテーブルの回転数偏差の問題

プレーヤの回転数偏差は、1khzの標準音に対して、3hzの誤差が聴きわけのできる限界から、±0.3%以下に抑えることが一般的の様です。 ハイクラスのターンテーブルを用いれば、回転数偏差やワウ・フラッターを低減できるものの、一方、CD再生の速度偏差は、水晶精度のppmレベルを容易に達成可能になります。

また別の問題として、アナログ録音のレコードと同じアナログ録音からデジタル化された音源(AADとかADD)の演奏時間は、製作者によって相当に異なる様です(下記関連記事参照)ので、いくらハイクラスのターンテーブルを用いてもレコードとCDの演奏時間(=回転数偏差)に差が生じてしまいます。 事程左様に、デジタルと比較してアナログ録音の演奏時間(=回転数偏差)はアバウトというほかありませんね。

❏ ターンテーブルの回転数偏差の測定について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

イコライザー特性(RIAA)のミスマッチ

レコードは、サウンドの1/f特性から低域のカッティング振幅を抑制(低減)する必要があるために、1khzを中心にして低域振幅レベルを下げ、高域は振幅レベルを上げて音溝を彫り、再生時は、フォノアンプで逆特性のフィルター(RIAAカーブ)を用いて元のフラットレベルに戻しています。 録音サイドと再生サイドで、このRIAAカーブを形作るフィルター定数のバラツキやカートリッジの周波数特性のバラツキなどからイコライザ特性を一致させることは不可能で、必要に応じてトーン・コントロールでアバウトに音質補正をする必要があります。 一方、CDでは、録再伝送系でS/N対策のために、イコライザーを使う必要が無く、録音サイドと再生サイドの音質はアナログと比較にならないほど一致する筈です。

❏ VinylStudioを使った音質補正について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

レコードの内周にまつわる音質低下

レコードの内周に向かって、線速度が低下しますので徐々に高域再生のレベルが低下して行きますし、更に、レコードのカッティングマシンとスタイラス形状の違いでトレーシング歪が増大します。 一方CDにあっては、デジタル記録のために、この様な伝送上の問題は発生しません。

 

 

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CDがダメな点

一方、CDのダメなところは、レコードとは真反対の、高域部分に弱点があります。 これは、リアルサウンド(特にクラシックのストリングス)では、周波数が高くなれば、CDのサンプリング数が少なくなり(20khzで2ポイント)更にリアルサウンドは、周波数が高くなるに従って、音のレベルが低下する特性(1/fスペクトル)なので、ビット数(深度)が少なくなり、分解能が低下し、これが違和感に通じる可能性があります。 詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

それでもアナログレコードの音質が好ましいのは何故?

最近、アナログレコードが見直され、何故(最近)評判が良いのでしょうか?

アナログ・レコードのダメな点を大きく俯瞰すると、低域部分(低域共振)に不利な点を抱えていることが判ります。 一方、CDのダメなところは、前述の様にレコードとは真反対の、高域部分に弱点があります。 人間の聴感は、中高域(1khz~10khz)部分で感度が高くなりますので、高域部分でCDの分解能が低下すると違和感を感じるのかも知れません。

ただ、この違和感ですが、例えばレコードをCD化して聴くと違和感は殆ど感じませんし、レコード音質とほぼ同等の違和感の無いCDも存在しているのも事実です。  CDのマスタリングの違いに因るものかもしれません。

CDの持つ高域の弱点を回避するのは、簡単で、CDフォーマットより上のハイレゾ化(24bit96khz以上)にすればOKですね。

ここからは、根拠がない推論ですが、アナログレコードがCDより好ましく聴こえるのは、レコードのダメな点によって再生音が歪んだとしても、倍音成分の連続性を持ち、好ましい音質に変質するのかも知れません。(全く根拠はありません。m(__)m)

「レコードのここがダメ」の総論として、『レコードの多くのダメな点を完全に解消することはできないので、アナログレコードの再生装置毎に特有の個性を持つ音質(楽器の様な)になり、CD(デジタル)音質とは一線を画すものになる』と言えます。

ただし、元々ダメな録音は、レコードを通しても良くならないことは言うまでもありません。

 

以上から、最近の人工的にレコードナイズフィルターを作るのでなく、アナログ名盤を最高級のターンテーブルで、ビンテージのカートリッジを用いて録音したハイレゾ音源が将来的に、ビジネスモデルになるかもしれませんね。

 

LPレコードのサンプル音源を聴いてみる

ポイント

このサンプル音源は、録音年と共に経過年を併記している通り、半世紀以上前に録音されたものです。 多少の劣化はありますが半世紀以上経ても、その音色は今に蘇りこれはデジタル記録には無い『冗長であるが故のアナログ記録(LPレコード=物理記録)の優位性を証明しているのではないか?』と思いますので是非お聴きください。

サンプル音源・DLコーナ

ここをクリックしてサンプル音源を聴いてみてください

 


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