テストレコード(AD-1)で出来ること-レコードプレーヤのテスト結果・総覧

投稿日:2018年8月1日 更新日:

プレヤーby keyNote

年代モノのレコードプレーヤTRIO(KP-51F)を使ってレコードのハイレゾ録音を行っていますが、このプレーヤの実力を知るためにテストレコード(AD-1)使って定性的な特性を調べ、断片的な記事を投稿してきました。 

ここで、全体を取りまとめて総覧にしてみました。 

 

 

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我が家のレコードプレヤーとテスト方法について

 

プレーヤ

プレーヤは、モータやトーンアームなどの機械的要素にレコードの音溝振動をスタイラスを介して電気信号に変換するカートリッジの電気的要素で総合的な性能が決まります。 テストしたレコードプレーヤは、機械的要素としてTRIO(KP-51F)をベースに電気的要素としてDENON(DL-103R)カートリッジを付加しています。

 

テスト方法

テスト方法はテストレコードをプレーヤで再生➡ アキュフェーズ(E-305)のフォノアンプ➡ ADコンバータ(GT40α)を経由してVinylStudioでハイレゾ(192khz 24db FLAC)録音してデジタル化し測定しています。必要に応じてノイズ抑制処理あり)

 

DL103R カートリッジの周波数特性

<テストレコード1面>
バンド1:周波数スロースイープ信号、20Hz –20kH、左チャネル
バンド2:周波数スロースイープ信号、20Hz –20kH、右チャネル


以上のバンド信号で、左右の出力レベルとクロストーク周波数特性が確認できます。 但し、このレコードに記録されている信号は、非RIAAです。 フォノアンプはRIAAフィルタを経由していますので、以下のデータは逆RIAAを通しています。

 

❏ L ch R ch・周波数特性(左右出力バランス確認)

ポイント

  • このデータは、記録したFLACファイルをAudacityに取り込み周波数分析のテキストデータをEXCELでグラフ化した結果を示しています。 チャンネル間のバランス差は12khz付近で最大±3dbほどの差がありました。
  • 4khzから低域にかけて8db程の盛り上がりがあり、6khz付近からフラットになっています。 これは、レコードがRIAAなしで記録されていて一方RIAAフィルターがついたフォノアンプで出力されたものを、VinylStudioの逆RIAAで元に戻しているため、それぞれの特性の誤差でこのような特性になったかもしれません。

 

❏ クロストーク・周波数特性

ポイント

  • アジマス(カートリッジの傾き)調整後の特性です。
  • 片CHに記録された信号の漏れ量を示していてクロストークとは若干異なります。 1khz付近で漏れ量が最小(-35db以下)になり、バスタブ特性を示しています。

 

DL103R 1khz クロストーク

バンド4:基準レベル、1kHz、3.54cm/sec(尖頭値)、左チャネル
バンド5:基準レベル、1kHz、3.54cm/sec(尖頭値)、右チャネル


以上のバンド信号で、1khzでのクロストークが確認できます。 両チャンネルともクロストークが同等であれば、レコード面に対してスタイラスがほぼ垂直であることの査証になりますので、左右のクロストーク差を見ればアジマス確認ができることになります。

 

画面からはみ出たら横スクロール

ポイント

  • アジマス調整後の特性です。
  • 一般的にクロストークを示す時は、1khzでのクロストークで示されます。 図のようにそれぞれのCHで-30dbで、DENON・DL-103のクロストーク・スペック(-25db以上)を満足していました。 詳細は以下のブログカードをご参照ください。
原理編
DENON MCカートリッジ DL103Rのクロストーク「 原理編」

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改善編
DENON MCカートリッジ DL103Rのクロストーク「 改善編」

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低域共振

<レコード1面>
バンド4:低域共振測定用低域周波数スイープ信号、4Hz – 100Hz、左チャネル右チャネル


以上のバンド信号で、クローストークが悪化する周波数を見れば、カートリッジを含めたレコードプレーヤの低域共振(周波数)が確認できます。

 

画面からはみ出たら横スクロール

ポイント

  • 低域共振は、片CHに記録された信号の漏れ量がピークとなる点が共振を示します。
  • 上の図では、A部とB部の2つのポイントで共振が見られました。 B部の存在は、TRIO(KP-51F)の特有のものかも知れません。 低域共振と共振点の抑制は、以下のブログカードをご参照ください。
低域共振
テストレコード(AD-1)を利用してプレーヤの低域共振をチェックする

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関連記事:低域(共振)領域を対策するVinylStudioのフィルター

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ターンテーブルの回転数偏差

<レコード1面、2面>
各バンド間にある「周回無音溝」のクリック信号


AD-1が意図したものではありませんが、各バンド間にある無音ガードに、クリック信号が生じています。 このクリックは、1回転で1回の割合でクリックパルスが発生しますので、この周期を測定すれば。回転数が判りますので。331/3回転との回転数偏差を調べることができます。

 

 

ポイント

  • 10回(T1〜T10)測定したターンテーブルの統計データから、平均で、33.338929rpmで、その回転数偏差の平均は、0.016787%という結果でした。 また、±3σ(99.73%まで含まれる確率)を見ますと、このターンテーブルの回転数偏差の実力は0.033779%〜-0.000205%の範囲にあると思われます。
  • 詳細は以下のブログカードをご参照ください。
オススメ
テストレコード(AD-1)を利用してターンテーブルの回転数偏差をチェックする

我が家のDDプレーヤ(購入後20年以上経過)の回転数偏差がどの程度の実力にあるのか?日本オーディオ協会のオーディオ・チェックレコード(AD-1)を使ってターンテーブルの回転数偏差を測定(チェック)して ...

 

総括・マトメ

オーディオチェックレコード(AD-1)で、「カートリッジの周波数特性」「クロストーク」「低域共振」「ターンテーブルの回転数偏差」を測定・チェックすることができました。 このデータの良し悪しは別にして、我が家のB級レコードプレーヤの実力が分かりました。 

テストレコードのAD-1は、税抜き3500円で日本オーディオ協会から購入できます。 テストレコードは、昔は種類も多く販売されていましたが、今はオルトフォンなど、限られてしまっています。 コスパから考えると、AD-1がベストではないでしょうか? テストレコードをハイレゾ録音することで、データが固定化され、Audacityの周波数分析などで、容易に特性を調べることができます。 

よって、お持ちのレコードプレーヤの実力を知るために、このテストレコードを備え付けておくのが宜しいのではないでしょうか?

 

その他 テストレコード (AD-1)できること

 

以上は プレーヤーの一般的な評価項目でした。 その他 テストレコード(AD-1)できることは、以下の記事をご覧ください。

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