ハイレゾ音源をエンコードするならMP3かAACか

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前回ブログで紹介しました様に、VinylStudioに、MP3エンコーダを導入しましたので、ハイレコ(ハイレゾ)音源をエンコードするなら非可逆圧縮形式のMP3 かAACのどちらが良いか相関係数から音質比較してみました。

 

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MP3及びAACについて

ネットでは、非可逆圧縮形式エンコーダの音質として、MP3が良いかAAC良いかについて色々紹介されいまが、その中の、「MP3 vs AAC 音質比較!」(URL:http://kobo-aok.jp/is3/mp3vsaac.htm)のビットレートと上限周波数(ハイカット周波数)のデータを引用させて頂き、グラフ化してみました。

概念的には、ビットレートが大きくなると上限周波数が高くなり高音質になります。 一方ファイルサイズは、ビットレートに伴って大きくなります。このグラフから見ますと、160kbpsがMP3とAACの音質の境目になっていて、160kbps以上ならMP3、160kbps以下ならAACの方が上限周波数が高くなるので、音質的に優位になることを示しています。

 

エンコードするハイレコ(ハイレゾ)音源について

LONDONレーベルの1966年録音、バーンスタイン指揮 ウィーンフィルでバーンスタイン本人がピアノを弾いているモーツァルト ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450 第2楽章です。

バーンスタインのピアノの演奏は、ピアニストと見紛うほど秀逸で、特に第2楽章は、素晴らしいと思います。

このレコードの録音は、VinylStudioのFLACでサンプリング周波数96khz、ビット深度24bitで録音しました。

ハイレコ音源のDL
エンコードした
圧縮音源を直接試聴
第2楽章のハイレゾ音源のDLは、
このボタンをクリック

(FLAC 96Khz 24bit:142 MiB, 7分 36秒)

  MP3 320kbps

 

エンコード後のMP3とAACの各諸元

AAC、MP3へのエンコードは、VinylStudioで行いました。 AAC、MP3のファイルを、MediaInfoと言うソフトで以下の諸元を抽出しました。 

注意ポイント

ここで注意して頂きたいのは、AAC諸元の中でVBRモードになっています。 今回のVinylStudioによるAACへのエンコードは、CBRで設定していますが、ビットレートがABR的に変動するようでMediainfoでみるとVBRモードになっています。  一方mp3エンコードのCBR設定では固定ビットレートが維持されMediainfoでみてもCBRになっています。 

詳しくは
CBRモードでAACにエンコードしたファイルをMediainfoで確認するとVBRモードになる?

ことの発端は、VinylStudioを使ってAACでCBR設定したつもりでエンコードしたファイルをMediainfoで情報をみると何と言うことかVBRモードになっていました。 一方MP3のCBR設定で ...

またVinylStudioでAACにエンコードしようとすると、「16ビット,48khzで保存される」旨の注意ダイアログが表示されます。 AACエンコードの場合、ビット深度24bitが16bitに変換後にエンコードされるようです。(一方MP3では、注意ダイアログは表示されません)

諸元
ハイレコ音源
オリジナル
mp3
AAC
ビットレート2 609 Kbps128 Kbps320 Kbps128 Kbps
(max196kbps)
320 Kbps
(max 414Kbps)
ストリームサイズ142 MiB
(100%)
6.97 MiB
(99%)
17.4 MiB
(100%)
7.06 MiB
(98%)
17.4 MiB
(99%)
圧縮率
(オリジナル音源比)
100%4.9%12.3%5.0%12.3%
サンプルレート96.0 KHz48.0 KHz48.0 KHz48.0 KHz48.0 KHz
ビットレートモードVBR モードCBR モードCBR モードVBR モードVBR モード
フォーマットFLACMPEG AudioMPEG AudioAACAAC
BitDepth/String24 ビット
ながさ7分 36秒7分 36秒7分 37秒7分 36秒7分 36秒
コーデック IDmp4a-40-2mp4a-40-3

 

モーツァルト・ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450 第2楽章

AAC(128kbps)を聴くAAC(320kbps)を聴く

 

MP3(128kbps)を聴くMP3(320kbps)を聴く

 

周波数分析と相関係数による解析・評価

「モーツァルト・ピアノ協奏曲第15番変ロ長調 K.450 第2楽章」のオリジナル音源(FLAC 96khz,24bit)に対して、ビットレート128kbpsと320kbpsで夫々のMP3、AACファイルを周波数分析し周波数帯域毎(1khz間隔)の相関係数で評価しました。

❏ 周波数分析(Audacityによる)の条件

  • 関数窓:hanning 大きさ:65535ポイント
  • 解析対象パート:楽曲先頭の109.2秒間
  • エンコードしたファイルは、ハイレゾファイルのサンプリング周波数と合わせてリサンプリングした後、周波数分析します。
  • 周波数分析データをテキストファイルに書出しExcelを使用しデータ解析します。

❏ 相関係数について

  • ハイレゾファイルとエンコードファイルに対する周波数と音圧レベルデータから、両者の相関係数を計算するために、1khz幅にブロック分けし音圧レベルの相関係数を算出します。計算はCORREL(コリレーション)関数を使います。
  • 1khz周波数帯毎の音圧レベルの相関係数でハイレゾファイルとエンコードファイルとの相関の強さが判り、グラフ化することで可視化します。(相関係数が高ければ、両者の音圧波形は近似し誤差が少なく、低ければ、誤差が大きく音圧波形が不一致であることが判ります)

 


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相関係数のグラフと評価

❏ MP3(128kbps) vs ハイレゾ音源  <相関係数とスペクトル>

15khzから急激に音圧レベルが下がり、10khz付近から、オリジナル音源に対して相関係数が悪化し、17khz以上で相関が無くなっている。

❏ AAC(128kbps) vs ハイレゾ音源  <相関係数とスペクトル>

15khzから徐々に音圧レベルが下がり、10khz付近から、オリジナル音源に対して相関係数が悪化しているも、MP3では、17khzで相関ゼロに対して、AACでは相関を維持している。


❏ MP3(320kbps) vs ハイレゾ音源  <相関係数とスペクトル>

19khzから音圧レベルが下がり、15khzまで、相関係数0.9以上を維持している。

❏ AAC(320kbps) vs ハイレゾ音源  <相関係数とスペクトル>

19khzから音圧レベルが下がり、MP3では15khzまで、相関係数0.9以上を維持していたが、AACでは、14khzから、相関係数0.9を切っている。(VinylStudioのAACは、16bitでエンコードされていることに影響か?) 320kbpsではMP3の方が音質優位と思われる。

ま と め

ポイント

  • 相関係数のグラフ評価から、前出の「ビットレートと上限周波数の関係」グラフの傾向通り、上限周波数付近から相関が悪化する結果でした。 つまり、128kbpsのビットレートではAACが音質優位で、320kbpsビットレートではMP3が音質優位です。
  • 「我が家のB級オーディオ」での聴感比較では、128bpsのビットレートであっても、320kbpsとの差は殆ど感じられませんでした。 ハイレゾ再生と128kbpsの比較では、プラシーボ効果もあるかも判りませんが、MP3(128bps)で高域に若干ザラつきを感じ ました。 ハイレゾ音源の方では、ザラつき無く安定感を感じました。
  • MP3にしてもAACしても320kbpsでのファイルサイズは、ハイレゾのファイルサイズと比較して、1/10程度に圧縮されても、聴感上の音質差は、殆ど感じられないとことから、今更らながら恐るべきアルゴリズム技術と言えると思います。
  • CDから圧縮音源にエンコードする場合、CDフォーマット(44.1khz)のナイキスト周波数(22.05khz)がエンコードの上限周波数と近似しているのでCDからエンコードするより、ハイレゾファイル(96khz以上)からエンコードする方が原理上無理なくエンコードできると思われます。
  • 総合して、ハイレゾをVinylStudioでエンコードするなら相関係数の結果から、128kbpsは避けて、出来れば、320kbpsのMP3でのエンコードを選択すべきかと思われました。
以上、「ハイレゾ音源をエンコードするならMP3かAACか」でした。

ピュアー音源で評価した、下の記事も併せてご参照ください。

ピュアー音源から見た「MP3、AAC」の音質比較

前回ブログの正弦波の組合せで作ったエイリアシングノイズの無いノコギリ波(ピュアー音源)をVinylStudioでインポートした後、MP3、AACへ夫々出力したピュアー音源ファイルのスペクトル比較を行っ ...


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