
前回ブログ(ピンクノイズ評価編)に引き続き今度は、リアルサウンドで「VinylStudio」の音質補正を行いました。 リアルサウンドのソースは、ストリングスの音が硬く違和感(高域が強調されすぎている?)があった、1963年録音盤のカラヤン指揮ブラームス交響曲2番のLPレコードを使用してみました。 また、音質補正は、グライコ(グラフィックイコライザ)とFFTフィルターの両方で音質比較を試みました。
LPレコードのソースについて
ポイント
<LPレコード・ジャケットの裏面に記載されていたクレジット>
- 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 管弦楽団:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- プロデューサー:オットー・ゲルデス
- レコーディング・エンジニア:ギュンター・ヘルマンス
- 録音場所と日付:イエス・キリスト教会 1963年10月10日から11日
カラヤン指揮のブラームス交響曲2番は、3回ほどの録音が在るようです。 この3回の中で、演奏評価が高いのは、1963年盤の様です。
ただ、このレコードの録音音質となると、残念ながら高域が強調されてストリングスが刺々しく聴きにくい気がしました。 そこで、今回はVinylStudioで高域に対して音質補正を行ってみました。
音質補正・音源サンプル:
カラヤン指揮ブラームス交響曲2番 第4楽章
ポイント
音源サンプルのレコーディング条件
- 使用カートリッジ:オルトフォンMC20
- フォノアンプ:アキュフェーズE305
- A/D変換:<フルテック>AD/DA変換機のGT40α
- レコーディングソフト:VinylStudioにて、24bit 96khz Flacフォーマットで出力
- MP3エンコード:VinylStudioにて、48khz 320kbpsで出力
- サンプル楽曲:カラヤン指揮ブラームス交響曲2番 第4楽章
MP3 サンプル |
ハイレゾサンプル |
(48khz 320kbps) |
DLは、このボタンをクリック |
グライコ音質設定ポジション(RumbleフィルターはON)

グライコ補正 MP3 サンプル |
グライコ補正 ハイレゾサンプル |
(48khz 320kbps) |
DLは、このボタンをクリック |
FFT音質設定ポジション(RumbleフィルターはON)

FFT補正 MP3 サンプル |
FFT補正 ハイレゾサンプル |
(48khz 320kbps) |
DLは、このボタンをクリック |
試聴レポート
我が家のB級オーディオでSONY HAP-Z1ESに音源サンプルを取込み試聴しました。 音質補正したグライコもFFTも同じ様にストリングスの弦の音が聞きやすくなりました。 ただ、FFTの方は、若干高音部に雑味があるように聴こえ、これはピンクノイズ評価編(前回のブログ記事)の結果からのプラシーボ効果か?または、評価通りの結果か?実は、よく分かりませんでしたが、グライコ音質の方が良いように思われました。
周波数分析してみました。
❏ 周波数分析条件
1.オリジナルvsグライコ(比較)
グリーンのラインが、グライコペクトルからオリジナルスペクトルの差分です。 グライコの音質設定通りに綺麗に高域が下がっていますが、所々に、ディップしているラインが現れているのが気になるところです。
2. オリジナルvsFFTフィルター(比較)
グリーンのラインが、FFTスペクトルからオリジナルスペクトルの差分です。 FFTの音質設定通りに高域が下がっていますが、ピンクノイズで音質補正を行った結果と同じ様にジッターの様な波形が現れ、40hz以下でレベル低下が生じているのが気になるとろです。
マトメ
試聴結果と周波数分析結果から、VinylStudioで音質補正を行うなら、グライコ(グラフィック・イコライザー)を選択するのが良さそうです。
前回ブログのピンクノイズ評価でもグライコに軍配が上がりました、詳細は、以下を参照ください。 「VinylStudio」でLPレコードをハイレゾ録音した後、音質補正してファイルを出力したい場合があります。(注記1参照) 音質補正する場合、VinylStudioでは、二つの補正方法があります。 ...
「VinylStudio」の音質補正は、グライコを使うかFFTフィルターを使うか?(ピンクノイズ・評価編)