ハイレゾ収録したレコードは、1961年録音(63年前の録音) ガブリエーレ・サンティーニが指揮したヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」です。 このレコードは、ドイツ・グラモフォンによるミラノ・スカラ座シリーズの一つで前回のLA TRAVATA(椿姫)に引き続きハイレゾ収録しました。
「ドン・カルロ」のバージョンは多種類ありますが、今回ハイレゾ収録したレコードは、その内のイタリア語・5幕版のレコード【4枚組(side1〜8)】です。
「ドン・カルロ」イタリア語5幕版 の全曲を聴く
主な粗筋
**主な登場人物**
- フィリッポ2世(バス): スペイン国王、ドン・カルロの父
- ドン・カルロ(テノール): スペインの王子
- ロドリーゴ(バリトン): ポーザ侯爵、カルロの親友
- 宗教裁判長(バス): カトリック教会の最高権力者
- エリザベッタ(ソプラノ): カルロを愛するが、政略結婚で国王と結婚する
- エボリ(メゾ・ソプラノ): エリザベッタの女官、密かにカルロを愛する
**あらすじ**
- 第1幕:
ドン・カルロは婚約者のエリザベッタを一目見ようと森へ来ています。しかし、エリザベッタはカルロの父親(フィリッポ2世・国王)と結婚することになります。 - 第2幕:
カルロが心の安らぎを求めて修道院にやってきます。そこにロドリーゴが入ってきます。カルロはロドリーゴに「恋に悩む思い」を告白します。 - 第3幕:
サン・ジュスト修道院の庭で、エリザベッタの女官たちが集まり、エボリが物語を歌っています。その様子を見たエボリは「カルロが自分(エボリ)に恋している」と勘違いします。 - 第4幕:
カルロとエリザベッタの関係を怪しむ国王(フィリッポ2世)が現れます。王は「エリザベッタを一人にした罰」として、ある女官を追放します。 - 第5幕:
カルロスは芝生の上で気を失うが、やがて悲しみに打ちひしがれて立ち去り、ひとりになった王妃は泣き崩れ、神に助けを請う。
このオペラは、16世紀のスペインを舞台に、かなわぬ恋、権力者の孤独、政治と宗教、友情などさまざまなテーマを劇的華麗な音楽で描いています。
ソース: Bing との会話で生成
時代背景としては、スペイン王国がヨーロッパで大きな影響力を持っており、その支配下には多くの植民地がありました。また、宮廷内では政治的な陰謀や権力闘争が絶えず繰り広げられ、王家と貴族の間には複雑な関係が存在していました。さらに、宗教改革によるカトリックとプロテスタントの対立や、異端審問などの宗教的な問題も時代背景の一部として重要な役割を果たしています。
これらの要素が「ドン・カルロ」の物語に影響を与え、登場人物たちの行動や決断に大きな影響を与えています。
「ドン・カルロ」イタリア語5幕版のレコードについて
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1 レコード・クレジット
この「ドン・カルロ」のレコードは、全曲4枚組(side1〜8)で構成され、演奏時間は約3時間に及びます。
ジュゼッペ・ヴェルディ (1813-1901)
ドン・カルロス オペラ全5幕
台本:ジョゼフ・メリーとカミーユ・デュ・ロックルの全5幕のオペラ
フィリポ2世:ボリス・クリストフ(バス)
ドン・カルロ:フラヴィアーノ・ラボー(テノール)
ポーザ侯爵・ロドリーゴ:エットーレ・バスティアニーニ(バリトン)
宗教裁判長:イヴォ・ヴィンコ(バス)
修道士:アレッサンドロ・マッダレーナ(バス)
ヴァロワ家のエリザベッタ:アントニエッタ・ステッラ(ソプラノ)
エボリ公女:フィオレンツァ・コッソット(メゾ・ソプラノ)
テバルド: アウローラ・カッテラーニ(メゾ・ソプラノ)
レルマ伯爵:フランコ・ピーヴァ
王の伝令:ピエロ・デ・パルマ(テノール)
天からの声:ジュリアーナ・マッテイーニ
フランドルの代議員
ヴィルジリオ・カルボナーリ、ディノ・マントヴァーニ、ジュゼッペ・モレジ、カルロ・フォルティ、ダリオ・カゼッリ、アッティリオ・バルベージ
スカラ座合唱団・管弦楽団
合唱指揮者 ノルベルト・モラ
指揮者 ガブリエレ・サンティーニ
協力:スカラ座自治政府
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2 このレコード音源はパブリックドメイン?
レコード・レーベルを見ると「 ⓟ1962 Polydor International GmbH」と表記されⓟ1962からレコードの最初の発行年が1962年であることが分かります。 また、ヴェルディの没年が 1901年1月27日ですので、それぞれを弊記事で紹介した「レコードのパブリックドメイン(目安)チェッカー」に入力して調べると、あくまで目安ですが日本国内で以下の様にパブリックドメインに該当していると思われます。
パブリックドメイン(目安)チェッカ-
作曲者の没年を入力(半角数字):1901年
レコードの発行(発売)年を入力:1962年
【 判定・結果 (目安)】
要件−1: 作曲者の著作権・保護期間は1951年12月31日で満了しています。
要件−2: このレコードの著作隣接権・保護期間は2012年12月31日で満了しています。
各要件とも保護期間が満了しているので、このレコードの音源はパブリック・ドメインに該当すると思われます。
(2024年3月21日:現在)
ハイレゾ収録の実際
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1 ハイレゾ収録に当たって
以下の内容で収録しました。
- 使用カートリッジ:DENON DL-103R 針圧:2.5gr
- 使用A/D変換:フルテック-GT40α
- 収録アプリ:VinylstudioでFLACフォーマット 96khz 24bit で収録
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2 Vinylstudio:Cleanup処理
収録後、Vinylstudioの「Cleanup」タグを開いて、以下の処理を行いました。
- 低域ノイズ抑制処理:Rumble フィルターを「ON」
- 音量の最適化処理:Normalizeを「 -3db」で設定
- クリック抑制処理を実行。 クリック処理数の結果は、以下の通りで、Side6が若干多く3119個ありましたが全体的には盤面の汚れ具合は普通レベルと思われます。
クリック抑制状況(default設定のまま) | |||
レコード面:side | クリック処理数 | レコード面:side | クリック処理数 |
side1 | 949 | side5 | 2039 |
side2 | 1919 | side6 | 3119 |
side3 | 1494 | side7 | 1227 |
side4 | 1952 | side8 | 1150 |
Cleanup処理等は、「Vinylstudio録音手順」を参照してください。
以上の処理を行った後、盤面(side1〜8)の分割処理します。 それぞれのトラックをFlac(24bit 96khz)フォーマットで書出してハイレゾ収録の完成です。
point
3 収録準備でトラブったこと
Vinylstudio でレコードを収録するために、入力デバイスをA/D変換の「フルテック-GT40α」に設定しようとした所認識しせず、 最終的に、M1-MacBook Air の再起動で正常に認識できる様になりました。
ハイレゾ収録音源とAAC音源のスペクトル比較と試聴
「ドン・カルロ・イタリア語5幕版 の全曲を聴く」で掲載した音源は、ハイレゾ(Flac 24bit 96khz)で収録した音源をXLDで変換したAAC音源です。 トラフィックを軽くすため、AAC音源は160kbbsにしています。
1)ハイレゾ音源とAAC音源のスペクトル比較
side1 (第1幕)の夫々の音源をAudacityに取込み5分間のpeakスペクトルのtextデータを書出し、Numbersでスペクトルをグラフ化しましました。
スペクトルの差分で絶対誤差を見ると、±1.3dbに収まっていることが分かりました。
2)試聴比較
試聴は、HAP-Z1ESに夫々の音源を取込み「我が家のB級オーディオ」で音質比較してみまたところ、やはり、ハイレゾ音源の方が鮮度が高くストリングスも好ましく聴こえました。
参考として、side1 (第1幕)の冒頭5分間だけですが(DLサイズを下げるため)、ハイレゾ(Flac 24bit 96khz)音源をDLして確認できます。