シルヴィオ・ヴァルヴィーゾ揮者 ナポリ・ロッシーニ管弦楽団の演奏によるロッシーニ「セビリアの理髪師」のLPレコードをデノンMCカートリッジDL-103Rでハイレコしました。 録音は1,964年にレコーディングされ1965年にリリースされています。 セビリアの理髪師は、ご存知のように底抜けに明るく楽しいオペラブッファです。
特に、シルヴィオ・ヴァルヴィーゾの指揮は、ナポリの気質に合った明るい演奏になっています。 ストリングスの音質もまあまあでした。 サンプル音源を掲載しましましたので、ご確認ください。
登場人物と出演者
- ロジーナ(バルトロの姪)/テレサ・ベルガンサ(Mez):遺産相続した資産家
- フィガロ(理髪師)/マヌエル・アウセンシ(Bar):何でも屋
- アルマヴィーヴァ伯爵/ウーゴ・ベネッリ(Ten):ロージナに恋する伯爵
- 医師バルトロ/フェルナンド・コレナ (Bas):ロージナの後見人で叔父でありながら遺産目当ての結婚を企む悪役
- 音楽教師バジーリオ/ニコライ・ギャウロフ (Bas)
- 士官フィオレルロ/ディノ・マントヴァーニ(Bar)
- 女中・ベルタ/ステファニア・マラグー(Sop)
VinylStudioのクリックノイズ除去数による盤質の確認
このLPレコードは、3枚組(side1〜side6)のアルバムです。 どの程度の盤質かを確認するためVinylStudioのクリックノイズ除去を行った際のクリック除去数を調べました。 尚、レコードのクリーニングは、水に濡らした刷毛でホコリを除去する程度に止めています。
(画面よりはみ出たら、横にスクロールできます。)
レコード | click(s) | click(s)/分 | レコード面 | click(s) | click(s)/分 |
side 1 | 1723 | 78.3 | side 4 | 1002 | 45.5 |
side 2 | 3177 | 158.9 | side 5 | 990 | 39.6 |
side 3 | 1413 | 70.7 | side 6 | 1216 | 50.7 |
以上の結果から、1枚目のレコード(特にside2)のクリックノイズ数が多くなってるものの、中古レコードのクリックノイズ数の平均は、経験上1面当たり3000程度でしたので、このレベルは、平均的なものと言えます。 1枚目のレコードのクリックノイズ数が多いのは、過去の所有者の再生回数が多かったために、音溝の劣化の現れと推察されます。 再生回数が多いと、盤面の音溝が荒れて、バリトンやバスの肉声に対して、ビビリ音が大きくなる傾向があります。 一方、side5のクリックノイズ数が990で最も少なくなっていおり、このレベルは、以前のブログ「ワグナー”パルジファル” 未開封LPレコード」の最大770と略同等のレベルで、肉声に対しても殆どビビリ音無く良好でした。
ハイレゾレコーディングとサンプル音源
❏ ハイレゾ・サンプル
条件・項目 | 内容 |
楽曲 | セビリアの理髪師 序曲(ホ長調) |
使用カートリッジ | デノン・DL301R(針圧2.5g) |
音源処理 | プチノイズ処理した後、ランブルフィルタ (ON)で(-3db)でノーマライズ |
出力フォーマット | 24bit 96khzのFLACファイル |
時間・サイズ | 6分 56秒 ストリームサイズ : 127 MiB |
<参考>序曲のハイレゾ・スペクトル

❏ MP3(320kbps)・サンプル音源
side1:序曲 ホ長調
side2:第1幕 「第2場」
ロジーナ/テレサ・ベルガンサ(Mez) 「今の歌声は Una voce poco fa」のアリア
※side2はクリックノイズが比較的多く、このアリアはレコードの内周側にあるので、肉声のビビリが多いことが判りますね。
side5:第2幕 「第1場」
医師バルトロ/フェルナンド・コレナ (Bas)、アルマヴィーヴァ伯爵/ウーゴ・ベネッリ(Ten)、ロジーナ/テレサ・ベルガンサ(Mez)、フィガロ(理髪師)/マヌエル・アウセンシ(Bar)
※side5はクリックノイズが最も少なく、殆ど再生回数が少ないと思われます。 このため、音溝の荒れが無く、肉声のビビリが殆ど無いことが判りますね。
side5:第2幕「第1場」のあらすじ(ウィキペディアより以下引用)
バルトロが家にいると、今度は音楽教師ドン・バジリオの弟子ドン・アロンゾに化けた伯爵がやってくる。(二重唱「あなたに平安と喜びがありますように」)伯爵は、バジリオは熱のため代わりにきたと偽る。見舞いに行こうとするドン・バルトロを押しとどめるため、先ほどもらったロジーナの手紙を伯爵の泊まっているホテルで偶然手に入れたと言って渡す。バルトロは、ドン・アロンゾを味方だと信用し、ロジーナの歌の稽古を開始する。ロジーナは一目で伯爵(彼女にとってはリンドーロ)と気づき、二人を見張るバルトロの目をかわしながら、二人は愛を確認しあう。
フィガロがバルトロの髭を当たるためにやってくる。タオルを取りに行くためにバルトロは部屋を出ようとするが、フィガロをロジーナのいるところに残すのは危険だと思い、鍵を渡してフィガロにタオルを取ってくるように指示する。フィガロは派手に陶器類を割り、驚き怒りつつバルトロが退場する。フィガロは鍵束からロジーナの部屋の鎧戸の鍵を抜きとって伯爵に渡す。ようやくフィガロがバルトロの髭を当たろうとすると、熱で寝ているはずのドン・バジリオが登場する。
バルトロに具合を尋ねられ、バジリオは何のことかわからない。三人はなんとか誤魔化そうとし、口々にバジリオの顔色が悪い、早く帰るように、しまいにはしょう紅熱だと言い立てる。(「さようなら、先生」)フィガロがバルトロの髭を当たっている間に、伯爵はロジーナに夜に迎えにくることを伝えるが、変装のことを口にしたのをバルトロに聴かれ、正体がばれて伯爵とフィガロは追い出されてしまう。