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「5つの視点」で再評価。 ハイレゾ音源をAAC変換する24bit対応AACエンコーダ(アプリ)の評価ランキング

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リニューアル(2023/2/24)

「4つの視点」による音質(含む機能)評価に”Pink-noiseによる「劣化率」”の評価項目を加えて、「5つの視点」に変更して記事をリニューアルしました。

「劣化量」記事・詳細は、ここをクリックして参照ください。

今迄、レコードからハイレゾ録音した音源をAACに変換する時に極力音質を劣化させず、CD音質を凌ぐにはどうしたら良いか?自分流で試してきた結果を投稿しました。 ただ、評価に統一性がないところもあり、ここで整理する意味から、今まで試してきたAACエンコーダ(アプリ)の6種類に絞って「5つの視点(4つの視点+劣化率)」で再評価しランキングを付けてみました。 (何しろ無手勝流ですので誤りがあればご指摘を (-_-;) )

 

予めお断り

「5つの視点」の音質評価は、プラシーボ効果(思い込み)を避けるため、試聴による音質評価は行わずスタティックな音源をベースにCD音質を凌ぐか否かにフォーカスした客観的データで評価しています。 あくまで、音質評価の一つの側面を現している参考データとしてご覧頂ければと思います。

 

 

評価する「5つの視点」

評価する各項目に重み付けを加味した評価点を付けて総合得点で、AACエンコーダ(アプリ)の優位性(順位)を見ることにしました。 各視点の評価が満点で評価合計は12点になります。

AAC変換時のパラメータ

  • サンプルレート:48khz  ビットレート:320kbps CBR
  • 「Apple DIgital Masters Dropletアプリ」の場合は、仕様上から サンプルレート:44.1khz ビットレート:256kbpsです。 このため、他のアプリに比較して上限周波数特性(F特)が不利になりますのでランク付け時点で考慮することとします。

 

視点
1
AAC変換した時の歪率特性

レベルを変えた1khz sin波 ハイレゾファイルをAAC変換して歪率特性を見る。

評価点:
夫々のレベル(0db,-3db,-20db,-48db,-60db)に対してCD歪率(THD+N)より優っている場合は 1点 劣っている場合は 0点

 

視点
2
再生できる上限周波数特性(F特)

-20db pink-noise ハイレゾファイルをAAC変換して絶対誤差からF特グラフを作成し再生できる上限周波数(-3dbのCut-Off周波数)を見る。

評価点:
CDの上限再生周波数(22.05khz)より優っている場合は 2点、劣っている場合は 0点

 

視点
3
リアル音源で高域暴れの有無

原因は定かではありませんが、レコードからハイレゾ化したレベルの低い音源をAAC変換するとスペクトル上で高域部分に暴れが生じることを経験しています。 聴感上問題になるか?は別にしてスペクトル上の上限周波数がCDより劣化することになり、評価項目に加えました。 評価方法は、高域暴れ評価用音源として、レコードをハイレゾ録音した「ベートーベン 交響曲第8番 2楽章(カラヤン ベルリン・フィル ) 1962年録音盤」ファイルをAAC変換した時に18khz以上でスペクトルに暴れが生じるか否かで判定します。

評価点:
暴れが見られない場合は 2点、暴れが見られる場合は 0点

以下のボタンを押すと「高域暴れ評価用」音源がDLできます。 AAC変換後、AACのサンプルレート(fs)に従ったサンプルレート(fs)のwavファイルに変換して、Windowsアプリ WaveSpectraにドロップすればリアルタイムでスペクトルを見ることができます。

「高域暴れ評価用」音源
192khz 24bit Flac)

Down Load

Apple Digital Masters用
96khz 24bit wav)

Down Load

 

視点
4
タグ情報の引き継ぎ

Tag Editor Freeアプリ を利用して、ハイレゾ音源をAAC変換した時にタグ情報が引き継がれているか確認する。

評価点:
完全に引き継がれている場合は 2点 一部引き継がれている場合は 1点 引き継がれていいない場合は 0点

 

視点
5
AAC変換した時の劣化率

Pink-noiseを使ってスペクトルから求めた絶対誤差率で劣化率(3σレンジ)を算出する。

評価点:
320kbps or 256kbpsでの劣化率が
0.5% 未満の場合 1、 0.5%以上で 0点

 

評価した AACエンコーダ(アプリ)の個別データ

「5つの視点」で評価する対象アプリは 6種類 ランク順位を【】内に付記しています。
下の「データ」ボタンを押すと、評価した個別データが展開します。

 

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「5つの視点」評価結果(マトメ)

この表は、前章のアプリ毎の個別データ」から表にマトメました。 この表には、評価点を付記しています。(評価点の得点が満点で12点になります。 残念ながら、12点満点を付けたアプリはありませんでした。)

 

 総評・「5つの視点」

 

[1位]「XLD CLI」と「Windows版foober2K 」

最高ランクは、10点の、「XLD CLI アプリ」と「Windows版foober2000 」でした。

  • foober2000は、0dbの歪率でもCD歪率より優り非常に優秀でした。 
    XLDは -3db 以上での歪率が僅かにCDより劣っていました。 実際の所、ハイレゾ録音は通常ノーマライズを-3dbで実施するのが普通です。 よって、実際上-3dbを超えた音源をAAC変換することは無いので「XLD CLI アプリ」に於いては悪くてもCD歪率と同等と思われます。 更に、-20db以下であれば圧倒的にCDの歪率より優れた結果になります。
  • 上限周波数は、両者とも48khz 320kbpsに於いて、再生できる上限周波数がCDのナイキスト周波数(22.05khz)より優っています。 
  • foober2000は、唯一の欠点として「高域暴暴れ」が認められました。 高域暴れが何故生じるか?良く分からないのですが、レコードから録音した「高域暴れ評価用」音源と同じ楽曲をe-onkyoから購入したハイレゾ音源でAAC変換した場合は高域暴れが生じませんでした。 これから、現象面で捉えるとマスタリングの違いでこの差が生じているのでは無いか? 試しに、「高域暴れ評価用」音源を-3dbで再ノーマライズ(増幅)してAAC変換したところ、今度は高域暴れが生じませんでした。 このことからハイレゾ音源のレベル等の扱いに注意してAAC変換する必要があります。
  • 「タグ情報の引き継ぎ」は両者ともアートワーク画像含めて引き継がれました。
  • 「劣化率」は両者とも 0.5%未満で問題ないレベルでした。 

ボタンをクリックすると個別データへジャンプして個別データが確認できます。 

XLD CLI・データ
Windows版foober2000・データ

 

[3位]「FFmpeg Native CLI」

第3位は、9点の「FFmpeg Native CLI」でした。

  • 歪率面では、0dbでの歪率がCDより劣っていました。 実際の所、ハイレゾ録音は通常ノーマライズを-3dbで実施するのが普通ですので問題なく、更に、-20db以下であれば圧倒的にCDの歪率より優れた結果になります。
  • 320kbpsに於いて、再生できる上限周波数がCDのナイキスト周波数(22.05khz)より優っています。
  • 「高域暴れ評価用」音源で高域暴れ無くAAC変換されていました。
  • 「FFmpeg Native CLIアプリ」は、「タグ情報の引き継ぎ」でアートワーク画像が引き継がれませんでしたが、「Artwork(画像)を引き渡す方法」記事(ここをクリックして)で解決できます。
  • 「劣化率」は 1%未満で略問題ないレベルと思われます。 ただし、問題は160kbpsでレベルが他のエンコーダに比べて大幅に増大するので、256kbps以上で設定する必要あります。

ボタンをクリックすると個別データへジャンプして個別データが確認できます。

FFmpeg Native CLI・データ

 

[4位]「Afconvert CLI」

第4位は、8点の「Afconvert CLIアプリ」でした。

  • 歪率の点では、ハイレゾ録音を-3dbノーマライズで実施すればCDより同等以上で優位と思われます。 
  • 上限周波数は、評価対象アプリの中で最も高い値を示し、再生できる上限周波数がCDのナイキスト周波数(22.05khz)より優っています。
  • タグ情報の引き継ぎに問題があり、この得点になりました。
  • 「劣化率」は 1%未満で略問題ないレベルと思われます。

ボタンをクリックすると個別データへジャンプして個別データが確認できます。

Afconvert CLI・データ

 

[5位]「Apple Music(iTunes)アプリ」

第5位は、7点の「Apple Music(iTunes)アプリ」でした。

  • 歪率の点では、ハイレゾ録音を-3dbノーマライズで実施すればCDより同等以上で優位と思われます。 
  • 上限周波数は、評価対象アプリの中で最も高い値を示し、再生できる上限周波数がCDのナイキスト周波数(22.05khz)より優っています。
  • タグ情報の引き継ぎに問題があり、この得点になりました。
  • 「劣化率」は 1%未満で略問題ないレベルと思われます。

ボタンをクリックすると個別データへジャンプして個別データが確認できます。

Apple Music(iTunes)・データ

 

[6位]「Apple DIgital Masters Droplet」

最下位は、3点の「Apple DIgital Masters Dropletアプリ」でした。(サンプルレートが44.1khzで上限周波数が不利になるので、配点を2点に加味しても5点で順位的に変わりませんでした。) 歪率面では、「Apple Musicアプリ(iTunes)」と同等の特性でしたが、最下位になった原因は、

  1.  Apple DIgital Mastersの仕様上の点から、サンプルレートが44.1khzにあることです。 このため、96khzからダウンサンプリングによるディメンションフィルターが介在するため、44.1khzのナイキスト周波数より低下するので、CDの上限周波数を超えられません。
  2.  foober2000と同じ様にリアル音源で高域暴れが生じていました。 foober2000と同じ様に、「高域暴れ評価用」音源を-3dbで再ノーマライズしてAAC変換したところ、今度は高域暴れが生じませんでした。 念の為、Apple Storeから購入した同一音源のApple DIgital Masters(AAC)ファイルでスペクトルを確認したところ、高域暴れが生じていませんでした。
  3.  タグ情報の引き継ぎにも問題がありました。
  4. 「劣化率」は 1%未満 を満足せず 今回のエンコーダの中でWorstでした。

以上Ⅰ〜Ⅳ の結果から、レコードから録音したハイレゾ音源を「Apple DIgital Masters Dropletアプリ」でAAC変換することはあまりオススメ出来ない結果となりました。

ボタンをクリックすると個別データへジャンプして個別データが確認できます。

Apple DIgital Masters・データ

 

以上「5つの視点」で再評価した、AACエンコーダ(アプリ)のランキング結果でした。 この結果からレコードのハイレゾ化した音源をAAC変換するなら、「XLD CLI アプリ」か「Windows版foober2000」を使うことをオススメします。

 

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