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カートリッジのクロストーク位相を確認(Osciloppoiのリサージュ波形)ー準備編

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「オシロっぽい」アプリ」

以前のブログにカートリッジのクロストーク「原理編」でマトリクス原理から、クロストークによる漏れ信号は、逆相でないか?とブログしていますが、その実証(裏ずけ)を行おうと思い立ちました。 

リサージュ波形で、簡単に位相の確認を行うことができますので、オシロスコプープの様にX-Y表示できるアプリを探したところ、「オシロっぽい 」というコスパ(120円)の良いMACアプリが見つかりました。 このアプリを使って、カートリッジのクロストーク位相を確認してみたいと思います。 今回は、「オシロっぽい 」アプリの使い方を中心にした準備編です。

 

位相とリサージュ波形について

『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば
 リサジュー図形(リサジューずけい、Lissajous figure)あるいはリサジュー曲線(Lissajous curve) とは、互いに直交する二つの単振動を順序対として得られる点の軌跡が描く平面図形のこと。“リサージュ”と表記されることもある。それぞれの振動の振幅、振動数、初期位相の違いによって、多様な曲線が描かれる。振動数の比が無理数の場合は閉曲線にはならず、軌道は有限の平行四辺形領域を稠密に埋める。

1855年にフランスの物理学者ジュール・アントワーヌ・リサジュー(フランス語版)(J.A. Lissajous, 1822年-1880年) が考案したとされ、これらの曲線族の呼び名は彼の名にちなむ。また、これらの曲線族について1815年にナサニエル・バウディッチ(英語版) (Nathaniel Bowditch) の先行的な研究が見られるため、バウディッチ曲線(ボウディッチ曲線)と呼ばれることもある。

一般的なリサージュ図形とX軸とY軸に入力した信号の位相の関係は、以下の通り
出典先:http://cc.ce.nihon-u.ac.jp/~ee-kiso/manual/2012/NO103-2012.pdf 

 

「オシロっぽい」アプリの使い方

ここでは、日本オーディオ協会の「オーディオチェックレコード AD-1」のバンド3:位相チェック信号を例にして、Audacityと連携した「オシロっぽい」アプリによるリサージュ波形描画方法を紹介します。

 

準備

注意ポイント(2022/7/20追記)

Apple SiliconのM1-MACですと下に記述しているSoundFlowerが使えません。 代替えとして、仮想オーディオ・ドライバ「BlackHole」を使います。

詳しくは、下記ブログページの『「BlackHole」のインストールと設定』をご参照ください。

  • Audacityで再生しているサウンドを、「オシロっぽい」の入力に取込むために、GitHubにて配布されているソフトウェア「 Soundflowerをインストールします。(詳しくは、Radiko(タイムフリー)をVinylStudioで録音する方法を参照してください)
  • テストレコード(AD-1)のバンド3(位相チェック信号)をAudacityへ取り込んでおきます。 また、Audacityの再生デバイスを「 Soundflower(2ch)」にします。

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  • 「オシロっぽい」アプリを立ち上げて、環境設定で信号源を以下の様に変更しておきます。

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  • 「オシロっぽい」のメイン画面のOperationをX-Y(X=2ch Y=1ch)にします。

ポイント

Soundflowerは、再生出力とサウンド入力を仲介するループバックデバイスで、再生出力を内蔵スピーカからSoundflowerへ引き渡します。 「オシロっぽい」の入力は、Soundflowerからの出力を受け取ります。

 

手順

以上の準備が整ったら、

「オシロっぽい」のメイン画面のRUNボタンを押して、Audacityの再生ボタンを押します。

すると、「オシロっぽい」のX-Y画面にリサージュが描画されます。

縦横の描画サイズが小さい時は、Audacityに取り込んだ音源を増幅したり、「オシロっぽい」のスケールをアジャストします。(下は、位相90度の時です)

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リサージュ波形のデモ

では、実際にリサージュ波形を描画しているときのビデオをご覧ください。
テストレコード(AD-1)のバンド3:位相チェック信号の順相(同相)と逆相再生のデモです。(一部音声が途切れています。 信号は、500hz 1オクターブバンドノイズです)

 

 

オシロっぽい」アプリについて

「オシロっぽい 」アプリの名前は、控えめですが どうしてどうして、中々のアプリではないでしょうか?

当然 リサージュ(X-Y表示)だけでなく デュアルチャンネルのオシロスコープにもなりますし、両チャンネルの差分や加算も表示できます。 シンプルなオシロですが、必要最低限の機能を有していると思います。

 

テストレコード(AD-1)の位相チェック信号をリサージュしました。

VinylStudioで録音した位相チェック信号をAudacityに取り込み、「オシロっぽい」でリサージュ描画した結果をご参考までに示します。 

リサージュ図形がY軸に交わる2箇所の長さをa、リサージュ図形のY軸方向の最大長さをbとして、位相差(角度)を求めることができます。
Φ=arcsin(アークサイン)(a/b)→位相Φラジアンを度に変換

位相差 Φ リサージュ

順相
(同相)

a=0,b=28

Φ=arcsin(0/28)

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逆相

a=0,b=28

Φ=arcsin(0/28)

180°ー0°
=180°

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a=14.12,b=20
Φ=arcsin(14.12/20)

=45°

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a=20,b=20
Φ=arcsin(20/20)

=90°

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a=14.12,b=20
Φ=arcsin(14.12/20)

=45°

形状が逆相なので
180°ー45°
=135°

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以上、リサージュ波形の準備と予備知識が集まったところで、「カートリッジのクロストーク位相を確認」検証編に続きます。

 

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