テストレコード(AD-1)を利用してプレーヤの低域共振をチェックする

投稿日:2018年7月28日 更新日:

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プレーヤイラスト

日本オーディオ協会のテストレコード(AD-1)に付属している説明書によれば、低域共振測定用低域周波数スイープ信号(4Hz – 100Hz)を使用することで、「低域共振周波数(f0)付近で、クロストークが極端に悪化するので、このクロストークの特性を調べれば低域共振周波数を発見できる」との記述があります。 低域クロストーク特性から、カートリッジ(DL103R)を含めた我が家のB級レコードプレーヤの低域共振周波数(f0)を特定してみることにしました。

 

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テストレコード(AD-1)に付属している説明書

先ずここで、AD-1に付属している説明書の中で「低域共振測定用低域周波数スイープ信号」について記述されている部分を示します。 また、ロストークから低域共振を特定する方法ついて記述されている部分を赤枠で囲んで示しました。

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AD-1 低域共振測定用低域周波数スイープ信号 説明書
<クロストーク測定例> Rchのクロストークがf0付近で悪化していることが判ります。
AD-1 クロストーク例

 

共振周波数の特定(方法ーその1)

「方法ーその1」として、悪化しているクロストークの周期から周波数を特定する方法です。
何時ものように、「低域共振測定用低域周波数スイープ信号」のバンドをDENONカートリッジDL103Rで再生し、VinylStudioでハイレゾ録音(192khz 24bit)しました。
この信号波形は、Lchは本来無信号ですが、クロストークでLchに信号が現れています。
特に、A部とB部にクロストークが悪化している2つのピークがありました。
DL103R 低域クロストーク

❏ A部クロクロストーク周波数の特定
A部を拡大して、クロストークが最も悪化しているポイントの周期を測定し周波数を特定します。 周期の測定は、以前「ターンテーブルの回転数偏差」ブログで示した、周期測定の方法で、周期の逆数から周波数が特定できます。

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DL103R A部共振周波数

上の図から、A部ピークポイントの周波数は、11.11hzで、これが、低域共振周波数(f0)と特定できました。

 
❏ B部クロストーク周波数の特定
同じ様に、次のB部のクロストーク周波数を特定してみます。
見やすくするために、縦軸を拡大しています。

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DL103R B部共振周波数

上の図から、B部ピークポイントの周波数は、50hzで、これが、第2の低域共振周波数と特定できました。

 

 

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共振周波数の特定(方法ーその2)

「方法ーその2」として、Audacityにハイレゾファイルを取込みスペクトル分析したテキストデータから、Excelを使って共振周波数を直接、特定する方法です。

VinylStudioで、録音したファイルをAudacityに取り込んで、Lch、Rchに分離した後、夫々のスペクトルを書出してExcelでグラフ化してみました。 以下が、その結果です。 この方法は、手間はかかりますがクロストーク全体が見渡せ判り易いと思います。

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上図の様に、方法ーその1で特定した共振周波数と一致しています。

❏ 参考:VinylStudioでランブルONでの特性がどうなるか?を見てみました。

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DL103R ランブルON 低域共振特性

上図の様に、A部の共振部分は軽減されていることが判ります。 ただ、B部は残っています。

 

マ ト メ(考察)

❏ A部の低域共振周波数について
以前のブログ「VinylStudioの低域ノイズ抑制フィルターを使用したLPレコードのハイレゾ化」で、低域共振を求めていて、この特定方法は、レコードの無音溝を利用したものでした。 その時の共振周波数は11hzでしたので、今回特定した周波数と一致しています。 よって、DENONカートリッジDL103Rを取付けた、我が家のB級レコードプレーヤの最低共振周波数(f0)は11hzと特定され、VinylStudioのランブルフィルターを使用すれば、A部の低域共振は回避出来るものと思われます。

❏ B部の低域共振周波数について
B部のクロストーク周波数は50hzでした。 これは、商用電源(50hz)に起因しているのでは無いか?と想定しましたが、オルトフォンのMC20で今回と同じ様に低域共振を特定した所、下図の様にB部共振は、55hzでした。

MC20 B部共振周波数

このB部・低域共振の違いは、カートリッジ質量の違いで生じたもので、DENON DL103Rは8.5gでオルトフォンMC20は7gで、MC20の方が軽量のため共振点周波数が若干上がっているものと思います。

よって、B部共振周波数は、商用電源(50hz)に起因しているとは考え難くなりました。
このB部共振の原因特定には至っていませんが、残念ながら、我が家のB級レコードプレーヤが一体形プレーヤで、アーム取付け台の共振やトーンアームの剛性不足が露呈している結果では無いかと思っています。 このプレーヤでは、50hz付近の共振でクロストークが-8dbに悪化するので、聴感上としては、50hz付近のため定位感には影響されないと思われるものの、若干の濁りに繋がることが推察されます。

最後に、テストレコード(AD-1)の低域共振測定用低域周波数スイープ信号(4Hz – 100Hz)をVinylStudioでハイレゾ録音すれば、レコードプレーヤの低域共振を容易にチェックできることが分かりました。

 


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