広告 CD音質関連 ハイレゾレコーディング

イ・ムジチのビバルディ”四季” ハイレコとCD音質比較

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※ 2017/7/24:「スペクトルパターン 詳細比較」を追記しました。歴史的ベストセラーになった1959年録音のフェリックス・アーヨのイムジチ・四季のCD版が入手できたので、既にLPレコードからハイレゾ録音していましたハイレコとCDとの音質比較を行いました。

聴感上の結論から言いますと、ハイレコ音質と比較してストリングスの音が、若干高域の濁りが感じられますが、ハイレコと同等のCD音質でした。
今までCD音質に不信感を抱いていましたが、今回は、どの様な条件で、CDフォーマットであっても、ハイレコと同等のストリングスが再生できるのかを考察してみたいと思います。

 

 

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❏ スペクトル比較

今回も、Audacityの周波数分析(スペクトル表示)を使用させて頂きました。

❏ 比較音源ソース

  • ハイレコの条件:カートリッジはオルトフォンのMC20を使用し、VinylStudioで録音したものを24Bit、96khzでflac化した録音ソース(プチノイズ抑制処理済)
  • CDフォーマット:リッピングしたファイルを96khzにアップコンバートしたflac化したソース

❏ 周波数分析条件とスペクトル

関数窓:hanning 大きさ:16384ポイント 解析時間:先頭から109.2秒
対象音源:四季の中から秋の第1楽章

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スペクトルは、CD音源とハイレコ音源とも、非常に近似しており、同一のマスターテープであることが判ります。
両者とも中域部分を若干強調しているマスタリングの様に思われます。

 

 

❏ スペクトルパターン 詳細比較

❏ 3khz〜5khzスペクトル

レコードの再生速度がCDと比較して若干相違しているため、横軸(周波数)のズレが生じているものの、スペクトルパターンは略一致している。

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❏ 5khz〜8khzスペクトル

-65db付近(聴感上は聞こえなくなる音圧レベル)で、若干スペクトルパターンに違いが生じている。

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❏ 8khz〜10khzスペクトル

赤丸点線部にスペクトル差が見られる。

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❏ LP再生速度やマスタリングの違いがあり参考として、周波数毎の差分(絶対)誤差を示します。

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1khz〜10khzで、全域で±10db以内に収まっています。

 

❏ マトメ・考察

CDフォーマット(16bit 44.1khz)が、LPレコード(ハイレゾ)と比較して音質劣化する要因として、

  • エイリアシングの問題(折り返し雑音=偽信号) 防止ハイカットフィルター(fc=fs/2)以上の周波数成分に漏れがあると折り返しノイズとしてfc以下に重畳。
  • ビット深度の問題 オケのスペクトルは略1/f特性であり、高域でのビット深度が必然的に減少する。( ex. -72dBの時は、4bitの分解能になってしまう)
  • サンプルレート(fs)の問題 測定ポイントが20khzで2ポイント、10khzで4ポイントしか得られない。

以上の問題のどれも、高域成分の誤差(ノイズ)に属する問題で、オケのストリングスの倍音・再現性に影響を与える問題が内包されているもののの、聴感上聴き分けられるレベルでは無いのではないかと思われます。 上記問題は、 「CDで再生されるストリングスの音は何故、違和感を覚えるか?(推定編)」を参照してください。

 

❏ おまけ

考察に使用したハイレコ音源(秋・第1楽章 24bit 192khz flacファイル)は、LPレコードの録音年が1959年でパブリックドメインになると思われますので、評価用として使用したハイレコ音源を添付します。

レコードからハイレゾ化(音源)


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(FLAC 96Khz 24bit : 116 MiB)

 

以上、イ・ムジチのビバルディ”四季” ハイレコとCD音質比較でした。

 

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