NHKのららら♪クラシックでデル・モナコが歌う道化師を聴いて思わず笑ってしまう程の歌唱力と表現力にびっくり、たまたま中古レコード店でデル・モナコが歌う『ボーイト:歌劇《メフィストーフェレ》』を見つけてついつい衝動買いしてしまいました。
このレコードは1958年に録音されたものでした。 NHKで放送された道化師を歌ったデル・モナコは46歳、対してこのメフィストーフェレは、43歳の時の歌声ということでほぼ同年代になります。 いつもの様にこのレコードをハイレゾ録音しましたので紹介したいと思います。
アッリーゴ・ボーイト(Arrigo Boito)とメフィストーフェレについて(要約)
実は、ボーイトにしても歌劇・メフィストーフェレにしても、全く知りませんでした。 ネットで調べた結果のマトメと私見を交えて要約しました。
主に引用させて頂いた出典元
- ウィキペディア:アッリーゴ・ボーイト
- クラシック音楽 名曲・名盤CD求めて三千枚
アッリーゴ・ボーイト(Arrigo Boito, 1842年2月24日 - 1918年6月10日)の作った歌劇《メフィストーフェレ》は、ゲーテ原作「ファウスト」を元にファウスト博士ではなく、悪魔のメフィストーフェレを主役にして1868年完成させました。 ですから、原作のテーマは同じながら主役のメフィストーフェレ(バス)のが多く登場します。 大きな「あらすじ」としては、「悪魔のメフィストーフェレ(バス)が神に、万学を究めたファウスト博士(テノール)を誘惑し堕落させて見せようと賭けを持ちかけ、神はこれを受ける。 メフィストーフェレは、ファウスト博士を誘惑するが、賭けに負け口笛を吹いて去っていく。」というものです。
残念ながら、初演では非難轟々の大失敗作になりました。 この原因は、ウィキペディアによれば「長大な演奏時間、ボーイト自身による指揮の稚拙さ、曲そのものもワーグナーの稚拙な模倣と考えられたこと、などが原因と考えられる」とのことです。 確かにこのレコードを聴いた時にどこかワーグナーの曲想に似通ったところがあるなーと思ったものです。 この失敗作から約13年を経て1881年(1876年〜)までに大改訂を行い、20世紀に入ってはトスカニーニなどによって上演やレコード化されるようになって成功版になっていきました。
「メフィストーフェレ」を聴いてみてボーイト本人はオペラ創作意欲が強烈な人物の様ですが、残念ながら曲想に乏しくオペラ作曲家より、やはり台本作家の方が向いているのかもしれません。
ことほど左様に、「メフィストーフェレ」は歌劇に中ではマイナー作品となっていますが、オーケストレーションでは壮大で口笛や鐘の音などオーディオ的に楽しめる作品ではないかと思います。
クレジットとレコード構成
クレジット
配役
メフィストーフェレ・・・・チェーザレ・シエピ(バス)
ファウスト・・・・マリオ・デル・モナコ(テノール)
マルゲリータ・・・・レナータ・テバルディ(ソプラノ)
マルタ/パンタリス・・・・ルチア・ダニエリ(メッゾ・ソプラノ)
ワグネル・・・・ピエロ・デ・パルマ(テノール)
エレナ・・・・フロリアーナ・カヴァルリ(ソプラノ)
ネレオ・・・・ピエロ・デ・パルマ(テノール)
サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団&合唱団
指揮:トゥリオ・セラフィン
録音:1958年6月、7月 ローマ、聖チェチーリア音楽院
レコード構成
『歌劇・メフィストーフェレ』全曲は、レコード3枚組(side1〜side6)です。 side1〜side6までの構成と演奏時間は以下の通りです。 今回のサンプル音源としては、赤マークのついた構成部分を掲載しました。
side1:天上の序曲<雲上の世界> 25:17
side2:
第1幕 第1場<復活祭の日曜日> 第2場<契約>前半 23:22 ←サンプル音源
side3:〜<契約>後半部 5:14 ←サンプル音源
side3:第2幕 第1場<庭園> 11:05
side3:第2場<魔術師たちの安息日> 3:15
side4:〜<魔術師たちの安息日>後半部 16:49
side4:第3幕<マルゲリータの死> 7:52
side5: 〜<マルゲリータの死>後半部 12:14
side5:第4幕 ファウスト「第2部」より<古典的サッパの夜> 12:44
side6:〜<古典的サッパの夜>後半部 10:15
side6:エピローグ<ファウストの死> 12:48 ←サンプル音源
ハイレゾ録音について
項目 |
条件 |
使用カートリッジ |
DENON DL103R |
ADコンバータ |
GT40α |
録音ソフト |
VinylStudio |
side2の盤質(クリック/分) |
44(クリック/分) クリックノイズ抑制しています。 |
ランブルフィルタ |
あり |
音質調整 |
フラット |
録音フォーマット |
96khz 24bit FLAC |
盤質としては、分当たりのクリック数が25〜53(クリック/分)ですので、比較的プチノイズが少なく良好な盤質と言えます。
[/nopc]
♫ では、聴いてみてください(サンプル音源)
AAC 48khz 160kbps side2: 第1場<復活祭の日曜日>〜15:27 第2場<契約>前半 15:30〜23:22 side3:〜<契約>後半部 5:14 (要約)
side6:エピローグ<ファウストの死> 12:48 (中々難解で難しいのですが、要約すると) |
<Media infoの情報>
フォーマット : FLAC
フォーマット/情報 : Free Lossless Audio Codec
ながさ : 5分 14秒
ビットレートモード : VBR モード
ビットレート : 2 734 Kbps
チャンネル : 2 チャンネル
Channel layout : L R
サンプルレート : 96.0 KHz
BitDepth/String : 24 ビット
ストリームサイズ : 103 MiB (100%)
使用したライブラリ : libFLAC 1.2.0 (UTC 2014-11-25)
ポイント
聴きどころ
盤質は良好ながら1958年という古い録音でフォルテで音が飽和ぎみで一部音割れなど聞き苦しいところがあります。 ただ、黄金のトランペットと言われるデル・モナコのテノールが素晴らしく、チェーザレ・シエピのバスも素晴らしい歌唱力と思います。
マスターテープからのリマスタリングの効果かレコードよりも聴きやすく音質も良い、以下のアップルミュージックの音源をオススメします。
以上、ハイレゾ録音した、デル・モナコが歌う『ボーイト:歌劇・メフィストーフェレ』の紹介でした。