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ハイレゾ・ストリーミング収録に向けて、仮想オーディオ・ドライバ「BlackHole」の音質を確認

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注意!!

「PrimeSeat」は、2023年1月31日で終了しました。 後継サービスは無く、PrimeSeatで配信しているコンテンツの提供も終了となりました。

PrimeSeat アプリ

最近知ったのですが、PrimeSeatアプリをPCにインストールすると、PrimeSeatのハイレゾストリーミング放送を無料で聴くことが出来ます。 折角のハイレゾ放送ですのでPC内部の音声を直接ハイレゾで収録してみたいと考えました。

PC内部の音声を直接収録するには仮想オーディオドライバーが必要で、M1-MACの場合「BlackHole」を使います。 

そこで、M1-MACに対応している仮想オーディオ・ドライバ「BlackHole」がどの程度の音質でハイレゾストリーミング放送が収録できるものか?テストすることにしました。

 

「BlackHole」のインストール

「BlackHole」がインストールされている方は、次章へ


  • step.1 ダウンロード

    「BlackHole」ページを開き、自分のメールアドレス、名前(1st Name,Last Name)を入力し、"Subscribe for Free Mac Download"をクリックすると、メールが送られて来てきます。 メール記載のURLリンク(24時間有効)をクリックするとダウンロードページが開きます。

    16chと2chが選択できますが、取り敢えずステレオ(2ch)のドライバーをダウンロードしました。


  • step.2 インストール

    ダウンロードしたファイルをクリックして、画面の指示に従いクリックして行けばインストールは完了します。


 

「BlackHole」と「Audio Midi 設定」について

Finderからユーティリティホルダーの中にある Audio Midi 設定.app を起動します。 仮想オーディオ・ドライバ「BlackHole」がインストールされていると以下の設定画面が開きます。

ポイント

画面の左サイドにある「BlackHole」を選択すると、右サイドに「BlackHole」設定画面が表示されます。 フォーマットのドロップダウンメニューをクリックすると、44.1khz〜192khzが表示されサンプルレートを指定できます。 また、ビット深度は32bit浮動小数点(実質24bit)と表示されています。 なお、「入力」「出力」タブがありますがPC内部の音声を収録するので、「出力」タブを選びます。

以上から、「BlackHole」はPC内部の音声をハイレゾ品質で出力できると想定できますね。

 

オペレータ
オペレータ
では、実際に「BlackHole」をテストするためにストリーミング用のハイレゾ・テスト音源をアップロードしました。 ストリーミング収録した時に音質がどうなるか?以下の手順で確認することにしました。

簡単な流れ(手順)

  • 当サイトにアップロードしたストリーミング用のハイレゾ・テスト音源(WAV)次章のプレーヤでテスト音源を再生し「BlackHole」を経由して Audacityアプリでストリーミング収録(録音)します。
  • ストリーミング収録したファイルの音質を評価(上限周波数と歪率)します。

 

ストリーミング用ハイレゾ・テスト音源について

テスト音源として2種類のハイレゾ・ピュアー音源をWebページにUPしました。

  1. pink noise(-20db pink-noise 24bit 192khz wav):「BlackHole」がどの程度の再生帯域(上限周波数)を有しているか調べる
  2. 1khz 正弦波(-20db 1khz sin 24bit 192khz wav):歪率(THD+N)を調べる

下のプレーヤの▶ ボタンを押せばテスト音源がストリーミング再生できます。 この音声を「BlackHole」経由で収録して音質を確認します。 なお、このテスト音源は、WinソフトのWaveGeneで生成しています。

 

Audacityを使ったハイレゾ・ストリーミングの収録(手順)

 


  • 「Audio Midi 設定」で「BlackHole」のサンプルレートを192khzに指定

    ストリーミング用ハイレゾ・テスト音源が192khzのサンプルレートですので、Audio Midi 設定.appを開いて「BlackHole」設定でフォーマットのドロップダウンメニューから192khzを選択します。 プライマリーレベルを若干絞って(-8db)に設定しています。

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    次に、M1-MAC画面の一番上にあるメニューバーのスピーカアイコンを押して、下の様に「BlackHole」を選択します。

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  • Audacityを起動

    Audacityが開いたら以下の赤矢印の順番で設定して収録用の新しいステレオトラックを準備します。

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  • ハイレゾ・ストリーミング音源の収録

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    ● 録音ボタンを押して収録を開始。 手早く、このWebページに配置しているテスト音源のプレーヤの▶ 再生ボタンを押してストリーミング・テスト音源を収録します。 テスト音源の再生が終了したら ■ 停止ボタンを押して完了です。

    ファイルに残す場合は、Audacityの「ファイル」>「書き出し」でフォーマットの種類を選択し実行すればファイル化できます、


 

Audacityでストリーミング収録したファイルの音質・確認

2種類のテスト音源をストリーミング収録した音質の確認結果は以下の通りです。

pink-noise の収録結果

pink noiseを使って再生帯域を確認したのが以下のスペクトル(グラフ)です。 グリーンのグラフが「BlackHole」を経由してストリーミング収録したスペクトルで、比較のためブルーのグラフがオリジナルpink-noiseファイルスペクトルを示しています。 グリーンとブルーグラフのレベル差は、ストリーミング収録時の録音レベルを絞って収録しているためです。

スペクトル(グラフ)について

Audacityのサンプリング周波数を192khzで収録してスペクトルを見ると、ナイキスト周波数の関係で最大96khzまでしか測定出来ません。 そこで広範囲に渡る「BlackHole」の帯域を調べるため、Audacityのサンプリング周波数を384khzで収録してスペクトルを測定しています。 

Audacityの「解析」>「スペクトルの表示」からスペクトルデータの「書き出し」で周波数とスペクトルデータがtext形式でファイル化出来ますので、このtext形式のファイルを開いてデータの全選択コピー後、Pages(表計算ソフト)等にペーストして下のグラフ(散布図)を作成しています。

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「BlackHole」収録の上限周波数

ストリーミング収録したpink noise のcut-off周波数を調べると85khzでした。 一方、オリジナルのpink-noise のcut-off周波数は91.2khzで、約6khz低下していました。 

「BlackHole」を経由したストリーミング収録に於いては高域減衰が若干認められるも、「BlackHole」を経由しても再生上の帯域幅としては問題ないレベルと思われます。

 

1khz 正弦波 の収録結果

Audacityでストリーミング収録した 1khz sin波ファイルをWaveSpectraを使って、スペクトルと歪率(THD+N)を調べたのが以下になります。

元々のオリジナルファイルのレベルが -20dbに対して録音レベルを絞って収録しているので-30.6dbになっています。 この時の歪率(THD+N)は0.00038%でした。 

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「BlackHole」収録のビット深度

1khz sin波の収録結果が、-30.6dbに対して歪率(THD+N)が0.00038%でした。 このことは、下のPCMに於ける24bitの歪率(THD+N)特性から、-32dbでの歪率が0.0003%と近似しているので、「BlackHole」のビット深度は24bitで収録されていると考えられます。

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(備考)24bitの歪率(THD+N)特性(グラフ)は、以下から引用したものです。

 

テスト結果のマトメ

  1. pink noiseによる再生帯域を確認したところ、再生できる上限周波数が85khzで192khzのナイキスト周波数(96khz)に近似していること。
  2. 1khz 正弦波の歪率(THD+N)からビット深度は24bitで収録されていると考えられること。

以上の 2点から、仮想オーディオ・ドライバ「BlackHole」を経由してハイレゾストリーミング放送を収録しても、原音との比較では僅かながら及ばないものの、ハイレゾレベルの音質を十分維持して収録することができると思われます。

 

PrimeSeatのハイレゾ・ストリーミング放送の収録に続く

実際にPrimeSeatのハイレゾ・ストリーミング放送を収録してみました。

PrimeSeat収録へ

 

以上、仮想オーディオ・ドライバ「BlackHole」のテスト音源によるハイレゾ・ストリーミング収録結果でした。 

 

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