カラヤンのグラモフォンLPレコード 1962年録音盤のBeethoven 第9は、学生時代に購入したもので、弦の美しさに感動を覚えたことを記憶しています。 このレコードは、my Collectionにありますように、既にハイレコ化しています。 ハイレコ音源においても、第2楽章のストリングスの美しさは、当時のまままに再現されていると思います。
今回も、「Blue Sky Label」サイトからDLさせて頂きましたCD(FLAC)音源とハイレコ音源を試聴比較してみると、LPレコードから録音したハイレコ音源の第2楽章の演奏時間が極端に短いことに気付きました。 CDと比較してなぜ演奏時間が短くなったのかの原因推定と合わせて音質比較を行ってみました。
カラヤンのLPレコードの怪(第2楽章の演奏時間が何故か短い)
CDの場合、第2楽章の演奏時間は、約11分に対して、LPレコードの方は、約8分50秒となっていて、約20%も短くなっています。 また、参考として、ゲオルグ・ショルティのCDの場合の演奏時間は、14分02秒でした。
ハイレコ音源・第2楽章の演奏時間が短くなっているのは、下の様に2楽章のフレーズの反復(リピート)部を省略しているためであることが判りました。
つまり、カラヤンのLPレコード 1962年録音盤のBeethoven 第9の2楽章は、フレーズ反復(リピート)の2箇所を省略していました。 CDの方は、反復を省略していませんので、多分マスターテープは反復を含んだ録音だろうと思われます。
参考迄に、レコードラベルを載せておきます。
何故、2楽章の反復を省略したのか?ネットで調べてみますと、「レコード収録の時間的都合上、繰り返しを省略した」様で、レコード時代では、音楽性を考慮した上で、反復を省略することは往々にして行われたいたようです。
第2楽章のハイレコ・サンプル
LPレコードから、GT40αでAD変換しVinylStudioでハイレゾフォーマット24bit 192khzで録音し、プチノイズ抑制処理をしています。 低域にゴロ音が若干ありますので、必要に応じてランブルフィルターをお使いになることをお勧めします。
File名 | Karajan_Beethoven Symphony_No_9_2nd.flac |
サンプルレート | 192 KHz |
チャンネル | 2 チャンネル |
BitDepth/String | 24 ビット |
ストリームサイズ | 337 MiB (100%) |
ビットレート | 5 323 Kbps |
ながさ | 8分 50秒 |
フォーマット | FLAC |
フォーマット/情報 | Free Lossless Audio Codec |
チャンネルの位置 | Front LR |
ビットレートモード | VBR モード |
使用したライブラリ | libFLAC 1.3.1 (UTC 2014-11-25) |
カラヤンが反復を省略したレアな音源で、ストリングス音が自然な音源です。 CDプレーヤでは、中々再現できない音質と思いますのでダウンロードして是非ハイレゾで聞いてみてください。 下のダウンロードボタンで、ハイレコ音源をダウンロードできます。
CDとレコード(ハイレコ)の試聴比較
CDフォーマット音源とハイレコ音源をsony HAP-Z1ESに取り込んで、我が家のB級オーディオで試聴してみますと、明らかにハイレコ音源のストリングスの音の方が自然で心地よく聴こえました。
周波数分析と誤差(差分)解析
いつもの様に、CDフォーマット音源とハイレコ音源をAudacityに取り込みスペクトル比較を行いました。
❏ 周波数分析の条件
関数窓:hanning 大きさ:65535ポイント
解析対象パート:2楽章の先頭部 54.6sec
周波数分析データをテキストファイルに書出しExcelを使用しデータ解析します。
❏ CD音源 vs ハイレゾ音源 スペクトル比較
❏ CD音源 vs ハイレゾ音源 スペクトル誤差(差分)比較
ポイント
14khz付近で誤差ピークがありました。 これが、CD音源がストリングスの自然感を損ねている原因かも知れません。