機械的振動含めてカートリッジへ混入する外部ノイズには、電源の周波数に依存するノイズ(Humといいます)があります。 VinylStudioのHum FilterをONにすると、商用電源周波数に依存するノイズを抑制します。 Humの有無を調べるには、オーディオチェックレコード(AD-1)の無音溝を再生して、電源周波数(例えば関東は50hz、関西は60hz)ノイズの有無を調べれば判ります。 不幸にして、電源に依存する周波数ノイズがあったら、このノイズを抑制するのが、Hum Filterです。 今回は、このHum Filterの効果を確かめてみました。
VinylStudioのバージョンがV9.0.9になっていました
今まで使用していたバージョンは、V9.0.7でした。 全てのユーザーへ、V9.0.9(2018-9-7)へupgradeする様に推奨しています。 使用しているバージョンは、画面左上のAbout VinylStudioを選択(クリック)で確認できます。 古いバージョンでしたら、下の様に、Helpから、Check for Updateをクリックしてバージョンアップできます。
VinylStudioのHum Filter・効果
レコードの無音溝は、オーディオチェックレコード(AD-1)の「SIDE2-バンド6:無音溝」にあります。 この無音溝を再生することで、ノイズが判ります。
何時ものように、VinylStudioでハイレゾ録音して、Hum FilterをOffの時と、Onの時の無音ノイズをFlacファイルで書き出しAudacityで周波数分析した後、Excelでグラフ化します。
下は、VinylStudioのHum FilterのOn/Off設定画面です。 50hzか60hzにするかの設定も行います。
我が家のターンテーブルとデノンDL103Rカートリッジでレコードの無音溝を録音し、Hum FilterをOnまたはOffしたときの周波数分析結果は下のグラフの通りです。 Hum FilterをOnした場合、50hzで9dbほどノイズが低減していることが分かります。 但し、100hzにピークがありますが、これは、50hzのハーモニクスと思われます。(当然、Hum FilterをOnしても抑制できません)
我が家のターンテーブルで、Hum Filter(On)を使用すべきか?を考察します。
確かに50hzで、Hum Filterを使いますとノイズが9db低減しますが、元々の50hzノイズレベル(Hum Filter OFF)が-71dbと低く、全体の無音溝ノイズから見れば、それほど聴感上に影響を与えるものとは思えないことに加え50hzのハーモニクスと思われる100hzノイズは、Hum Filter使ってもそのノイズは抑制できないので、Hum Filterは、使用しないこととしました。