広告 トピック記事 ハイレゾレコーディング

レコードのパブリック・ドメイン 目安チェッカーをUPしました。

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保有しているレコード(音源)がパブリック・ドメインに該当するか?知りたくなる時が希にあります。 「TPP整備法」の発効により、著作権法が改正され、2018年12月30日より著作権の保護期間が50年から70年に延長されたことで、著作権の保有期間の計算が益々複雑になってしまいました。 そのため、パブリック・ドメインになるか否かを知るために「レコードのパブリック・ドメイン 目安チェッカー」を当ブログの固定ページ(メニューの「ハイレゾ化のススメ」子メニューに設置)にアップしました。 今回は、このチェッカーの事例を紹介したいと思います。

なお、このチェッカーを使う機会はあまり無いとは思いますが、チェッカーご利用の際は、「チェッカー使用上の注意ポイント」を一読して、ご利用ください。

 

レコードのパブリック・ドメイン 目安チェッカー

固定ページにUPしたものと同じチェッカーです。

チェッカー使用上の注意ポイント

このプログラムは、文化庁ホームページにある「著作物等の保護期間の延長に関するQ&A」、問1~問4を元に作成していますので例えば戦時加算や外国の著作権法制度などは考慮していません。 また、著作権法自体が難解でかつ複雑なため、このチェッカーの判定結果(あくまで目安)及び、当サイトの内容に誤りがあった場合でも、一切の責任を負わないものとさせて頂きますので、予めご承知おきください。

レコードのパブリックドメイン(目安)チェッカー

チェッカーの簡単な使い方


  • step.1

    チェッカーの入力欄に作曲者の没年(要件−1:作曲者の著作権)とレコードの発行(発売)年(要件ー2:レコード音源の著作隣接権)を入力した後、【Check Start】ボタンを押すと夫々の要件をチェックしてパブリックドメインに該当するか?の目安を知ることができます。 


  • step.2

    レコードの発行(発売)年については、ここをクリックしてくご参照ください。


  • step.3

    「音源がパブリック・ドメインに該当」と判定されたら、念の為JASRACのJ-WID(作品データベース)から、その音源がパブリックドメイン(PD)に該当するか調べることにしています。(2020/7/12追記)


チェッカーの詳細については、以下のブログカードをクリックしてご参照ください。

 

チェッカーを使った事例紹介

事例
1
作曲者の没年が1968年でレコードの発行(発売)年が1967年の場合

この事例は、著作権法の改正が2018年12月30日から施行されたことによる最も悩ましい事例です。 

保護期間は、亡くなった年(又は発行日)の翌年から起算して改正・前では50年改正・後では70年になります。 例えば、1968年に亡くなった人の保護期間は、改正・前であれば1969年1月1日を起算して50年後の2018年12月31日まで有効でした。 ところが、2018年12月30日から著作権法が改正(発効)されましたので、1日違い改正・後が適用されて保護期間は70年になり2038年12月31日まで有効になってしまうのです。 

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<「著作物等の保護期間の延長に関するQ&A」問3の図を引用>

 

そこで、パブリック・ドメイン 目安チェッカーを使ってみす。

作曲者の没年に1968年レコードの発行(発売)年に1967年と入力して【Check Start】ボタンを押すと以下の様に判定結果が表示されます。

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ポイント

  1. 作曲者の没年が1968年ですので改正・後の保護期間(70年)が適用され、著作権の保護期間が(2038年末日まで)有効になっています。
  2. レコードの発行が1967年ですので、改正・前の保護期間(50年)が適用され著作隣接権の保護期間が満了になっています。

以上の要件から、このレコード(音源)がパブリック・ドメインになるには、著作権の保護期間(2038年末日まで)が満了した後の2039年以降ということが分かります。

 

事例
2
Beethovenの第9 カラヤン BPO 1962年録音盤の例

当ブログの「カラヤンのLPレコードの怪(Beethoven 第9・第2楽章)」で使用しましたレコードをパブリック・ドメイン 目安チェッカーで確認してみます。

チェッカーへの入力データ

  • ベートーヴェン(作曲者)の没年:1827年
  • レコードの発行年:1962年【レコード内周に刻印ⓟ1962を確認:写真
    blank

ⓟ1962(西暦年)の ⓟマークについては、ここをクリック

チェッカー(実行結果)

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事例
3
ストラヴィンスキー”春の祭典” カラヤン BPO 1964年録音盤の例

当ブログのストラヴィンスキー”春の祭典” ハイ・レコとCDの音質比較で使用しましたレコードをパブリック・ドメイン 目安チェッカーで確認してみます。

チェッカーへの入力データ

  • ストラヴィンスキー(作曲者)の没年:1971年
  • レコードの発行年:1964年【レコード内周に刻印ⓟ1964を目視で確認

ⓟ1964(西暦年)の ⓟマークについては、ここをクリック

チェッカー(実行結果)

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以上の結果から、作曲者(ストラヴィンスキー)の権利が2041年12月31日まで残存しており、投稿記事中に春の祭典・音源を掲載することは割愛しています。

 

事例
4
モーツァルト”リンツ” バーンスタイン WPh 1966年録音盤の例

チェッカーへの入力データ

  • モーツァルト(作曲者)の没年:1791年
  • レコードの発行年:1967年【レコードジャケットに表示1967を目視で確認

ⓒ1967(西暦年)の ⓒマークについてはここをクリック

チェッカー(実行結果)

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レコードの発行年について(参考)

1)著作隣接権の保護期間について

公益社団法人・著作権情報センターによれば、保護期間は以下の様に規定されています。 

https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime4.htmlより部分コピー

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要点は、レコード・音源の発行を起点にして保護期間が規定され、著作権・改訂後にあっては、保護期間が70年になります。 (改訂前であっては、レコード・音源の発行から50年で適用されます。)

よって、保護期間を特定するには、レコード音源の発行年を知る必要があります。

 

2)レコードの発行年を確認するには(例)

ポイント

レコード本体(内周無音部分)や、レコードの付属・印刷物に表示されているⓟ マークの後に表示されている西暦年を確認すれば、レコードの発行年を知ることができます。  (ⓟ マーク表示については以下の日本レコード協会規格 RIS 202 「アナログディスクレコードの表示事項及び表示方法」の下記、関連部分抜粋を参照してください)

当ブログの場合、レコードの発行年の確認手順は以下です。参考として示します。


  • 最も優先するレコードの発行年はⓟマーク 西暦年です。

    その理由は、ⓟ マークとは「原盤権」(音が固定(録音)され編集された音源でレコード製作者の権利)を示し、ⓟ は「レコード」を意味するphonogramの頭文字でその後に発行(西暦)年が表示されているからです。


  • ⓒマーク 西暦年のみの場合

    ⓒマーク 西暦年しか表示が無い場合、ⓒマークは「レコードジャケットデザインや添付文書など全体に渡る著作権」ですので、レコード音源の発行年と異なる場合があります。(つまり、ⓒ西暦年がレコードの最初の発行年より新しい西暦年で示されている場合があります)この場合は次善の手段で確認します。


  • 次善の手段

    レコード発行年が不明の場合は、レコードの録音年やジャケットのデザイン等のデータからDISGOGSデータベースなどで検索し発売年(Release年)から特定するか、その他、確実な手段としてレコード会社へ問い合わせる方法もあるかと思います。


 

RIS 202(規格)関連部分抜粋

3.表示事項及び内容blank

ⓟ / ⓒ マークの夫々は、Phonogram / Copyright の意味です。

〜〜〜

4. 表示の方法blank

 

以上、レコードのパブリック・ドメイン 目安チェッカーを使った事例集でした。 なお、著作権法は難解でかつ複雑なため、このチェッカーの判定結果及び、当サイトの内容に誤りがあった場合でも、一切の責任を負わないものとさせて頂きますので、予めご承知おきください。

 

 

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