
レコーディングソフト”VinylStudio”のクリックノイズ抑制効果について実際にレコーディングしてノイズ除去の有効性について評価しました。
クリックノイズ除去機能は、PCMならではの編集機能の一つでLPレコードをハイレゾ録音したあとVinylStudioのクリック音の除去を実行すれば一発でプチノイズが抑制できます。
VinylStudioの「Scan for Clicks」の設定と実行
Step
1 Cleanup Audio画面のScan for Clicksをクリック

Step
2 Scan for Clicks 設定画面が開きます
音質等を考慮して「VinylStudio」のScan for Clicksの設定を色々試した結果、以下の様に設定するのがベストでは無いかと思います。 不満であれば、Default に戻すことも出来ます。
設定画面の、Scan ボタンをクリックすると、ノイズ修復が始まりLPレコード片面辺り数秒でプチノイズ抑制が完了します。

盤質の悪いレコードでのノイズ抑制「あり」「なし」比較
VinylStudioのプチノイズ抑制アルゴリズムは不明ですが、殆どプチノイズが気にならなくなります。 Audacityのエフェクトの中に「クリックノイズの除去」機能がありますが、これと比較してもVinylStudioの方が数段良好にプチノイズの抑制効果があると思います。 以下は、「VinylStudio」のScan for Clicksの設定(上記)で行っています。
Before
ノイズ抑制「なし」
再生波形

After
ノイズ抑制「あり」
再生波形

ノイズ抑制・前後のスペクトル比較してみました。
Before:オリジナル(ノイズ抑制・前)のスペクトル

プチノイズの周波数成分により、30KHz位まで広範囲に音圧レベルが広がっている。
After:ノイズ抑制・後のスペクトル

プチノイズが抑制されて、高域成分のレベルが低下している。
プチノイズを抽出する実験
プチノイズ抽出手順
- Audacityアプリに、Source A(オリジナル)とSource B(VinylStudioによるノイズ抑制)Fileを取込み
- Source BをAudacityのエフェクトタブの中の「上下反転」を実行し位相反転させます。
- Source Aと位相反転させた Source Bを合成(加算)したファイルを書き出すとプチノイズのみが抽出されたFileが出来ます。

抽出されたプチノイズ
プチノイズのサウンドを聴いて判る通り、ノイズ以外のMusic音は再生されておらず、オリジナルの音質が損なわれていないことが証明されたと思います。
<プチノイズのスペクトル 参考>

おわりに(マトメ)
当初レコーディングソフトは、Audacityを使用していました。 このソフトは、Freeソフトながら多機能で秀逸です。 しかし、LPレコードを洗浄しAudacityで録音後、「クリックノイズの除去」を実行しましたがノイズ抑制は不十分でした。
VinylStudio は、以上の様にノイズ抑制効果があり、実際に聴いてみると、殆どプチノイズは、気にならなくなります。 VinylStudioは有料ソフトですですが、トライアル版もあり、一度お試しすることをお勧めします。
手動でノイズ抑制するには
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参照記事VinylStudioによるクリックノイズ手動修復
ヘンリック・シェリングによるプロコフィエフ《バイオリン協奏曲第2番》のLPレコードをVinylStudioでハイレコし、いつものように自動プチノイズ修復(抑制)を行いました。 ところが、第2楽章の途中 ...
レコード洗浄のこと
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オススメレコードの洗浄とノイズ抑制可能なレコーディングソフトのこと
レコードの洗浄は、プチノイズの発生を抑え、微細なゴミによるカートリッジのスタイラス消耗を防ぐために欠かせない作業です。 不要なノイズを減らすには、盤面をできるだけ清潔に保ち、その状態でデジタル収録を行 ...