以前の記事で、XLDコマンドラインでハイレゾ24bit音源を高域減衰無く最適化したAAC変換を行うためにAppleのAutomatorを利用したワークフローアプリを作成しました。(詳細はここをクリック) 今回は、AAC変換が完了したらMediaInfoログ(メディアファイル情報)が自動的にログ表示される機能を追加しましたので紹介します。
なお、Automatorは、Apple社のMAC OSに標準搭載されているアプリで、PC上の作業(ワークフロー)をプログラムすることができます。 Automatorで作られたワークフローは、一つのアプリとして実行することができます。
今回のワークフローアプリの概要
今回のワークフローアプリは、以前紹介しましたA記事のAAC変換アプリにB記事のMediaInfo情報取得アプリ機能を追加したものです。 この合体したアプリ名を、XLD to ACC with MediaInfo.app としました。
このアプリを実行しますと、AAC変換した後、自動的にMediaInfo情報(AAC諸元や音源のクレジット)が表示され、Texファイルで保存されます。
オペレータ
ここでワークフローアプリのキーとなる、A記事とB記事の「シェルスクリプトを実行」コード を示します。 下のボタンを押すとコードがご覧頂けます。
+ シェルスクリプト・コードを見る
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#選択したハイレゾファイルをfにフルパスで格納 for f in "$@" do osascript -e 'tell app "System Events" to display dialog "ファイルが選択されました"' #fdirにディレクトリ文字列をセット fdir="${f%/*}" #ハイレゾファイルの拡張子をaiffに変更しf_aifにセット テンポラリファイルとしている。 f_aif=${f%%.*}.aiff #ハイレゾファイルを48khzダウンサンプリング aiffに変換 /Applications/xld-20191004/CLI/xld -o "$fdir" "$f" -f aif #48khz aiffに変換されたファイルをAACに変換 /Applications/xld-20191004/CLI/xld -o "$fdir" "$f_aif" -f aac #AACにXLD>AACマークを付加 mv "${f%%.*}.m4a" "${f%%.*}_XLD_chg.m4a" #48khz aiffに変換されたファイルを削除 rm "$f_aif" done |
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# 文字化け対策 mediainfo で出力されたtxtファイルが文字化けするのを対策 export LANG=ja_JP.UTF-8 #選択したサウンドファイルをfにフルパスで格納 for f in "$@" do # サウンドファイルの拡張子をtxtにして、空のテキストファイルを作る touch "${f%%}.txt" #サウンドファイルをMediaInfoのコマンドラインで空のtxtファイルに情報を保存する /usr/local/bin/mediainfo "$f" --LogFile="${f%%}.txt" # txtファイル名にMediaInfoマークを付加 mv "${f%%}.txt" "${f%%}_MediaInfo.txt" open "${f%%}_MediaInfo.txt" done |
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それでは、完成したワークフローアプリの動画(1分)を見てみてください。
オペレータ
動画の簡単な流れ
- ワークフローアプリ起動
- ハイレゾファイル選択(複数選択可)
(ここでは、ハイレゾで録音したBrahms ピアノコンチェルトの2楽章を選択) - AAC変換が完了するとMediaInfoログ(メディアファイル情報)が表示される
- ファインダーで確認
(AACに変換されたファイルとMediaInfoログファイルが生成されている)
Aoutometor ワークフローアプリ作成(要点)
Aoutometor ワークフローアプリの基本的な作成方法はA記事を参考にしてください。 今回のワークフローアプリの名前を「XLD to ACC with MediaInfo.app 」としてワークフローアプリの要点となる「シェルスクリプトを実行」用のコードを以下に示します。
なお、今回のワークフローの内容を詳しく知りたい場合やワークフローの修正を行う場合は、後段に示しますzipファイルをダウンロードして解凍後、Automatorアプリを起動して ファイル > 開く からダウンロードしたワークフローアプリを指定すれば、Automatorワークフローが参照できます。
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# 文字化け対策 mediainfo で出力されたtxtファイルが文字化けするのを対策 export LANG=ja_JP.UTF-8 #選択したハイレゾファイルをfにフルパスで格納 for f in "$@" do # osascript -e 'tell app "System Events" to display dialog "ファイルが選択されました"' #fdirにディレクトリ文字列をセット fdir="${f%/*}" #ハイレゾファイルの拡張子をaiffに変更しf_aifにセット テンポラリファイルとしている。 f_aif=${f%%.*}.aiff #ハイレゾファイルを48khzダウンサンプリング aiffに変換 /Applications/xld-20191004/CLI/xld -o "$fdir" "$f" -f aif #48khz aiffに変換されたファイルをAACに変換 /Applications/xld-20191004/CLI/xld -o "$fdir" "$f_aif" -f aac #AACにXLD>AACマークを付加 mv "${f%%.*}.m4a" "${f%%.*}_XLD_chg.m4a" #48khz aiffに変換されたファイルを削除 rm "$f_aif" # AACに変換されたファイルをMediaInfo で見る ルーチン # AACに変換されたファイルをtxtにして、空のテキストファイルを作る touch "${f%%.*}_XLD_chg.m4a.txt" #サウンドファイルをMediaInfoのコマンドラインで空のtxtファイルに情報を保存する /usr/local/bin/mediainfo "${f%%.*}_XLD_chg.m4a" --LogFile="${f%%.*}_XLD_chg.m4a.txt" # txtファイル名にMediaInfoマークを付加 mv "${f%%.*}_XLD_chg.m4a.txt" "${f%%.*}_XLD_chg.m4a.txt_MediaInfo.txt" open "${f%%.*}_XLD_chg.m4a.txt_MediaInfo.txt" done |
PCにインストールされているXLDやMediaInfoアプリの絶対パスの書き着替えが必要になります。 例えば、上のコードの17行、20行のXLDの絶対パスや35行のMediaInfoの絶対パス指定がそれに当たります。
作成したワークフローアプリ「XLD to ACC with MediaInfo.app 」を使う
オペレータ
今回作成したワークフローアプリ(XLD to ACC with MediaInfo_V20201214.app)をzipファイルでアップしましたので、DownLoadボタンを押してzipファイルをダウンロードし解凍すれば、お使い頂けます。 但し、PCにインストールされているXLDやMediaInfoアプリの絶対パスの書き着替えが必要です。
アプリDLと使用上の注意ポイント
- このアプリを開こうとすると「“XLD to ACC with MediaInfo_V20201214.app”は、App Storeからダウンロードされたものでないため開けません。」と表示される場合は、「control」ボタンを押しながら右クリックで開いてみてください。
- このアプリは、エラー処理等は含んでいませんのでご注意ください。
- アプリの使用によって、生じたいかなる損害も、補償いたしかねますことをご承知おきください。
このワークフローアプリを使う際に、下に注意すべき事項があります、
オペレータ
注意ポイント
- XLDアプリとMediaInfoアプリのコマンドラインを使っていますので、夫々のインストールが必要です。
- 事前にXLDのサウンドオプション設定が必要です。
+ XLDのサウンドオプション設定 クリックして展開
AIFFのオプション設定
ハイレゾ音源をサンプルレート48khz(or44.1khz)でAACに変換する場合、高域(20khz付近)で減衰します。 この高域減衰を防止するために、AIFFをテンポラリファイルとして、一旦ハイレゾ音源を48khz(or44.1khz)にダウンサンプリングしますので、以下の様に、AIFFオプションを設定しておきます。 高域減衰の詳細はここをクリック。
XLDの環境設定から、環境設定 > 一般 からAIFFのオプション(サンプルレート48khz or44.1khz)を設定します。
AACのオプション設定
ダウンサンプリング生成された、aiff ファイルのサンプルレートに合わせ、更に高音質設定で AAC変換する必要がありますので、以下の様に、事前にAACオプションを設定しておきます。
XLDの環境設定から、環境設定 > 一般 からAACのオプションを設定します。
オプションは、以下で設定
モード:CBR
エンコーダの精度:最高
サンプルレート:自動にします。
(AIFFのサンプルレートに従ったAAC変換が行えます)
ビットレート:320kbps
展開を「閉じる」
このワークフローアプリでAAC変換してみました。 ♫
この音源は、1960年録音・ブルーノ・ワルター指揮 コロムビア交響楽団によるモーツァルト交響曲 第35番 ハフナーです。
レコードから録音したハイレゾファイル(192khz 24bit、Flac)をこのアプリでAAC変換しました。 LPレコードの盤質が悪く、良い音質とは言えませんが歴史的名演ですので、この音源を聴いてみてください。 またAAC変換後に自動生成された、MediaInfoのLogも合わせて添付しました。
第1楽章 AAC(320kbps 48khz)
+ 第1楽章 MediaInfo Log
MediaInfo Log
General
Complete name : /Volumes/XLD/ADR ブルーノ・ワルターの芸術/第35番ハフナー 1楽章_XLD_chg.m4a
Format : MPEG-4
Format profile : Apple audio with iTunes info
Codec ID : M4A (M4A /mp42/isom)
File size : 13.9 MiB
Duration : 5 min 59 s
Overall bit rate mode : Variable
Overall bit rate : 324 kb/s
Album : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Album/Performer : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Track name : 第35番ハフナー 1楽章
Track name/Position : 4
Performer : ブルーノ・ワルター指揮 コロムビア交響楽団
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:08
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:08
Writing application : X Lossless Decoder 20210101, AudioCodecs 573.4.1, CBR 320 kbps
Cover : Yes
Encoding Params : (Binary)
Audio
ID : 1
Format : AAC LC
Format/Info : Advanced Audio Codec Low Complexity
Codec ID : mp4a-40-2
Duration : 5 min 59 s
Bit rate mode : Variable
Bit rate : 319 kb/s
Channel(s) : 2 channels
Channel layout : L R
Sampling rate : 48.0 kHz
Frame rate : 46.875 FPS (1024 SPF)
Compression mode : Lossy
Stream size : 13.7 MiB (99%)
Language : English
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:08
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:08
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第2楽章 AAC(320kbps 48khz)
+ 第2楽章 MediaInfo Log
MediaInfo Log
General
Complete name : /Volumes/XLD/ADR ブルーノ・ワルターの芸術/第35番ハフナー 2楽章_XLD_chg.m4a
Format : MPEG-4
Format profile : Apple audio with iTunes info
Codec ID : M4A (M4A /mp42/isom)
File size : 12.2 MiB
Duration : 5 min 14 s
Overall bit rate mode : Variable
Overall bit rate : 325 kb/s
Album : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Album/Performer : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Track name : 第35番ハフナー 2楽章
Track name/Position : 5
Performer : ブルーノ・ワルター指揮 コロムビア交響楽団
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:19
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:19
Writing application : X Lossless Decoder 20210101, AudioCodecs 573.4.1, CBR 320 kbps
Cover : Yes
Encoding Params : (Binary)
Audio
ID : 1
Format : AAC LC
Format/Info : Advanced Audio Codec Low Complexity
Codec ID : mp4a-40-2
Duration : 5 min 14 s
Bit rate mode : Variable
Bit rate : 319 kb/s
Channel(s) : 2 channels
Channel layout : L R
Sampling rate : 48.0 kHz
Frame rate : 46.875 FPS (1024 SPF)
Compression mode : Lossy
Stream size : 12.0 MiB (99%)
Language : English
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:19
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:19
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第3楽章 AAC(320kbps 48khz)
+ 第3楽章 MediaInfo Log
MediaInfo Log
General
Complete name : /Volumes/XLD/ADR ブルーノ・ワルターの芸術/第35番ハフナー 3楽章_XLD_chg.m4a
Format : MPEG-4
Format profile : Apple audio with iTunes info
Codec ID : M4A (M4A /mp42/isom)
File size : 8.94 MiB
Duration : 3 min 51 s
Overall bit rate mode : Variable
Overall bit rate : 324 kb/s
Album : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Album/Performer : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Track name : 第35番ハフナー 3楽章
Track name/Position : 6
Performer : ブルーノ・ワルター指揮 コロムビア交響楽団
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:28
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:28
Writing application : X Lossless Decoder 20210101, AudioCodecs 573.4.1, CBR 320 kbps
Cover : Yes
Encoding Params : (Binary)
Audio
ID : 1
Format : AAC LC
Format/Info : Advanced Audio Codec Low Complexity
Codec ID : mp4a-40-2
Duration : 3 min 51 s
Bit rate mode : Variable
Bit rate : 319 kb/s
Channel(s) : 2 channels
Channel layout : L R
Sampling rate : 48.0 kHz
Frame rate : 46.875 FPS (1024 SPF)
Compression mode : Lossy
Stream size : 8.82 MiB (99%)
Language : English
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:28
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:28
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第4楽章 AAC(320kbps 48khz)
+ 第4楽章 MediaInfo Log
MediaInfo Log
General
Complete name : /Volumes/XLD/ADR ブルーノ・ワルターの芸術/第35番ハフナー 4楽章_XLD_chg.m4a
Format : MPEG-4
Format profile : Apple audio with iTunes info
Codec ID : M4A (M4A /mp42/isom)
File size : 9.39 MiB
Duration : 4 min 2 s
Overall bit rate mode : Variable
Overall bit rate : 324 kb/s
Album : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Album/Performer : ADR モーツァルト交響曲 ブルーノ・ワルターの芸術
Track name : 第第35番ハフナー 4楽章
Track name/Position : 7
Performer : ブルーノ・ワルター指揮 コロムビア交響楽団
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:37
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:37
Writing application : X Lossless Decoder 20210101, AudioCodecs 573.4.1, CBR 320 kbps
Cover : Yes
Encoding Params : (Binary)
Audio
ID : 1
Format : AAC LC
Format/Info : Advanced Audio Codec Low Complexity
Codec ID : mp4a-40-2
Duration : 4 min 2 s
Bit rate mode : Variable
Bit rate : 318 kb/s
Channel(s) : 2 channels
Channel layout : L R
Sampling rate : 48.0 kHz
Frame rate : 46.875 FPS (1024 SPF)
Compression mode : Lossy
Stream size : 9.27 MiB (99%)
Language : English
Encoded date : UTC 2021-03-12 03:02:37
Tagged date : UTC 2021-03-12 03:02:37
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以上、ハイレゾ音源から高域減衰無く最適化してAAC変換し、更にMediainfo機能を付加したワークフローアプリの紹介でした。 是非お試し頂けばと思います。