ロリポップサーバーは「全プラン2020/8/5以前にご契約の方を対象に、最も処理能力が上がるエコノミー・ライト・スタンダードプランの3プランではコア数が約2.6倍となり、総合的な処理能力も約2倍にリニューアルする」との発表がありました。
詳細はここをクリックして、ロリポップ!爆速宣言をご覧ください。
当サイトで使用しているライトプランでもこのリニューアルの対象でしたので、遅ればせながら、アップデートを行いました。 このアップデートで、今までプラン対象外だったPHP7.3(モジュール版)も使用できる様になりましたので、CGI版とモジュール版を含めてリニューアルの前と後を比較してみました。
ライトプランのスペック(アップデートの前と後)
(注記)ロリポップ公表値です。
Before | After | |
ディスク容量 | 50GB | 100GB |
ストレージ | HDD | SDD |
独自ドメイン | 50個 | 100個 |
モジュール版PHP | ☓ | ○ |
性能比較
アップデート後 | |
CPUコア数 | 2.6倍 |
CPU処理能力 | 2倍 |
メモリ数 | 最大12倍 |
ディスク性能 | 最大35倍 |
アップデートの手順と注意事項(ポイントのみ)
ユーザー専用ページからアップデート情報を確認する
対象アップデートのプランに対して、ユーザー専用ページの上部に「ご利用中のプランを新しいバージョンにアップデートができます」との通知が表示されます。 注意すべき点は、アップデートを行うために少なくともPHPバージョンをPHP7.3以上にする必要があります。
当サイトでも以前PHP7.3にした時に表示不具合が発生しました。 この時の顛末記事は以下をご参照ください。(トラブルの原因は、「Crayon Syntax Highlighter」プラグインで、新バージョン(2.8.6)Crayon Syntax Highlighterプラグインをインストールすることで改善できました。)
アップデートを開始
アップデート情報を確認後、全ドメインがPHP7.3以上になっていることを確認し「アップデートする」ボタンを押します。
完了通知
アップデートが完了すると、登録のメールアドレスにお知らせが来ます。
アップデート・注意ポイントマトメ
- EC-CUBE簡単インストールが利用できなくなります。
- 現在の共有SSLのアドレスは利用できなくなり、ロリポップ!のドメインがSSL化されます。
- PHP7.3および7.4のみ利用できるようになり、PHP7.1は利用できなくなります。
- Perlのバージョンが5.10から5.30へ変わります。また「/usr/bin/perl」のパスが利用できなくなります。
- Rubyのバージョンが2.6へ変わります。
- Ruby1.9および2.0は利用できなくなります。 Pythonのバージョンが3.7へ変わります。
- Python2.7および3.4は利用できなくなります。
- .htaccess内のAllowやDenyといったIP制限などの構文の後ろにコメントアウトがついていると、エラーになります。
PHP7.4(CGI版)とPHP7.3(モジュール版) パフォーマンスの確認
PHP変更のポイント
サーバ処理速度の前と後
ロリポップによれば、リニューアルによりサーバ処理速度が約2倍にUPしたとのことでしたので、当ブログ記事「π多桁計算 プログラムをBasicからPHP言語に移殖してみました。」のπ計算の計算処理時間がどう変わったかを測定しました。(注記)PHP7.4(CGI版)での確認です。
π計算の桁数 | Before (計算時間 秒) |
After (計算時間 秒) |
比率 A/B |
500桁 | 0.041 | 0.038 | 93% |
1000桁 | 0.17 | 0.15 | 88% |
2000桁 | 0.76 | 0.58 | 77% |
5000桁 | 4.70 | 3.48 | 74% |
以上の結果から、リニューアルによって「総合的な処理能力も約2倍」には至らなかったものの、π計算の処理時間がスピードUPしていることが確かめられました。
Google PageSpeed Insightsの
CGI版とモジュール版の違い
PageSpeed Insights は、ウェブページのコンテンツを解析し、ページの読み込み時間を評価するツールで評価値のPHP7.4(CGI版)とPHP7.3(モジュール版)の違いを測定してみました。
残念ながら、リニューアル前と比較して、PHP7.4(CGI版)にしてもPHP7.3(モジュール版)にしても評価値の変化は殆どありませんでした。
PageSpeed Insightsの評価値:モバイルで30前後、PCで80前後
体感上のWeb速度の違い
リニューアル前と比較して、若干表示速度はUPした様に思われます。 なお、PHP7.4(CGI版)とPHP7.3(モジュール版)の差はありませんでしたが、PHP7.3(モジュール版)で時々表示が引っかるような場合があり、今はPHP7.4(CGI版)にしています。
ロリポップ全プラン・リニューアルのマトメ
ライトプランのリニューアルに伴って
- サーバー・パフォーマンスの向上は確かめられましたので、ロリポップユーザーはアップデートすることをオススメします。
- モジュール版が使える様になり、Webの表示速度が劇的に改善されるのを期待しましたが、残念ながらあまり変化がありませんでした。 今後、速度を上げるには、Google PageSpeed Insightsの提案にありました「次世代フォーマットでの画像配信」に変えるか、ロリポップのハイスピードプランに乗り換えるかの選択かも知れません。