ピュア音源でFLACフォーマットを評価してみました。(改訂)

投稿日:2018年10月23日 更新日:

LPレコードをハイレゾ録音する時に、無圧縮WAVEでなく可逆圧縮のFLACフォーマットで保存しています。 これは、音源を圧縮してファイルサイズを削減するためです。 VinylStudioの場合、FLACフォーマットを選択すると圧縮率(Level 0Level 8)を変えて保存するオプションがあって、デフォルトの圧縮率5で保存しています。 今更ながら、そもそもWAVEフォーマットと比較してFLACの場合、音質劣化が生じるものなのか?劣化しないものなのか?ピュアー音源のノコギリ波を使い、テストしてみました。

 

ピュアー音源のノコギリ波について

参照
音質評価用 ノコギリ波PCM音源の作成

今まで、LPレコードからハイレゾ化した実際の音源とCD等との比較評価をしてきましたが、もう少し詳細な評価を行うため純粋なノコギリ波音源を作成することにしてみました。 ノコギリ波を選んだ理由は、ストリン ...

 

改訂内容  2018/12/30

+ クリックして下さい

改訂ポイント

2018/10/23に公開しました 当記事において、VinylStudioで、WAVEファイルをFLACにエンコードすると、「ノコギリ波の直線部分が湾曲」するとしていましたが、以下のように設定上に誤りがありました。

FLACは可逆圧縮なのに、何故湾曲するか?気になって原因を調べ直したところ、VinylStudioでWAVEからFLACファイルに保存(エンコード)する際に、Save corrected audioにレ点がついた状態で保存していることが判明しました。

つまり、Save corrected audioにレ点を付けると、VinylStudioはデフォルトで、ランブルフィルタがONのため、その補正要素が影響し、保存したFLACのノコギリ波・波形の直線部に湾曲が生じるということが判りました。(後段の参考データ参照)

そこで、Save corrected audioのレ点を外(補正解除)した状態でFLACへエンコードし直し再評価しましたので、全面改訂させていただくことにしました。

尚、今ままで公開したデータ(ランブルフィルタONで評価したデータ)は、参考データとして後段に残しました。

 

 

 

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FLACとは?

「SourceForge.netのFLACプロジェクトの日本語ミラーサイト」から引用、

現在、オンラインでの音楽配信では主にMP3やAACといった形式が使われています。MP3やAACは音楽ファイルを元のサイズの10分の1程度にまで圧縮できますが、わずかながら音質の劣化が発生してしまいます。いっぽう、音質をまったく劣化させずにファイルサイズを小さくできる圧縮手段もあります。このような圧縮は「可逆圧縮」と呼ばれており、圧縮率は小さいものの、圧縮・展開を行っても音質が変化しないのが特徴となっています。FLAC」は、このような可逆圧縮を行う音声コーデックです。

 

FLACフォーマットの評価方法

  1. 以前ブログ記事で紹介した、WaveGenというソフトで、1khzのノコギリ波をハイレゾのWAVEフォーマット(192khz 24bit)で保存します。
  2. WaveGenの出力設定は、1khzノコギリ波、-3dbで5秒間 WAVEファイルに出力
  3. VinylStudioでWAVEをインポートした後、以下の様に圧縮率を設定しFLACフォーマットにエンコードします。
  4. 夫々のファイルをAudacityに取り込み周波数分析し、音質劣化程度を観察します。

VinylStudioのFLAC・圧縮率オプションの設定画面(圧縮率レベルは、0から8段階から選択できます。)

 

夫々の音源ファイル諸元と波形比較

WAVEファイルFLAC-5FLAC-0
FLAC圧縮Levelーー5:default0:max file size
サイズ5.49 MiB2.30 MiB4.59 MiB
圧縮率100%41.9%83.6%
フォーマットレート192khz 24bit192khz 24bit192khz 24bit
OBR モードCBR モードVBR モードVBR モード

 

WAVEファイル:オリジナルファイル:24bit 192khz

WAVEファイルの
DLは、このボタンをクリック

FLAC-5ファイル:WAVEファイルからFLACにエンコード:24bit 192khz

FLACファイルの
DLは、このボタンをクリック

 

ポイント

以上は、Audacityに夫々のファイルを取込み、波形を確認したものです。 FLACは、可逆圧縮の通り、リンギング部分も含めてオリジナルのWAVE波形とほぼ同じに復元されていることが判ります。

 

FLACは、本当に可逆圧縮?

FLACファイル(FLAC-5)をデコードすると、元のWAVEに復元するかを調べるために、FLACファイルの波形を上下反転(逆相)して、その波形とWAVE波形とを加算したときゼロになれば両者の波形は同じと言えるので、Audacityを使って調べてみました。 その手順を以下に示します。(2019/1/9追記)

手順-1

WAVEファイルとFLACファイルをAudacityに取込み、取り込んだFLACに対して、エフェクトで上下反転(逆相)を行います。 青枠を参照してください。

手順-2

上のWAVEトラックと反転したFLACトラックをMIXして新しいトラックを作成したのが下の画像です。 縦軸を最大感度(0.0005vつまり上の縦軸に対して-66db)にした状態で、Lch、Rchともフラット(無音)になっています。

 

ポイント

WAVEとFLAC波形が完全に一致しているから、上のLch Rchのレベルがゼロ(無音)になったということです。 つまりFLACが元のWAVEに復元できているので、可逆圧縮と言えます。

念のため、無音のトラックを周波数分析しテキストに書出したところ、全帯域にわたって、-inf(下限)なっていました。

 

FLACファイルの周波数分析

WAVE、FLACファイルをAudacityに取込み、夫々を周波数分析しグラフ化しました。 更に、その差分(誤差)も併せてグラフ化しました。

スペクトル分析条件:関数hanning window、size16384

測定期間:1sec〜4secの3秒間 FLACの圧縮率レベルは”5”(FLAC-5)

ポイント

スペクトルの差分(劣化)が生じる箇所は、非常にレベルの低いノイズフロアレベル(-120db)で僅かながら誤差が生じています。 この誤差は、Audacityのスペクトル精度上に生じている可能性が高いように思われます。

 

今回の簡易的なテストで判ったこと

  • オリジナルのWAVEとFLACのノコギリ波の波形は、ほぼ一致しています。
  • FLAC波形の上下反転した波形とWAVE波形をミックスすると、無音になることから、FLACは、WAVEに復元され、可逆圧縮と言えると思います。
  • スペクトルの差分(劣化)について、この実験は、Audacityのスペクトル分析から間接的に誤差を求めていますので、このために僅かながら誤差が生じているものと思われます。

注意ポイント

結論
FLACファイルは、可逆圧縮であることが検証できたので、音質劣化は生じないと思われます。 また、圧縮率(FLAC-5は圧縮率が50%以下)、の観点から、今まで通り圧縮率レベルは”5”(FLAC-5)でLPレコードのハイレゾ化を進めて行こうと思います。

 

以上、ピュア音源でFLACフォーマットを評価した結果でした。

関連記事
ピュア音源でALACフォーマットを評価してみました。(改訂)

前回のブログでは、可逆圧縮のFLACフォーマットの評価を行いました。 今回はアップル推薦のALAC(Apple Lossless Audio Codec)についても前回と同様にピュア音源(ノコギリ波) ...

 

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 参考として

(参考)VinylStudioでランブルフィルタをONにしてFLACへエンコードした場合の波形比較

WAVEファイル:直線部分がストーレート

FLAC-5ファイル:ランブルフィルタをONにしてFLACへエンコードすると直線部分が湾曲

ポイント

波形グラフ中の直線(赤線)は、ノコギリ波の直線性を見るためのものです。

FLACの場合、ノコギリ波の直線部分が若干湾曲していますね。

 

(参考)夫々の音源ファイルの周波数分析

スペクトル分析条件:関数hanning window、size16384

測定期間:1sec〜4secの3秒間

1.WAVE 及び FLAC-5のスペクトル比較 及び 両者の差分スペクトル
画面からはみ出たら横スクロール

ポイント

WAVEとFLAC-5のスペクトル上の違いは、3.2khz付近で差分(劣化)スペクトルのピーク(-2.5db)差が生じている。

 

2.WAVE 及び FLAC-0のスペクトル比較 及び 両者の差分スペクトル
画面からはみ出たら横スクロール

ポイント

FLAC-0は、3.2khz付近で-0.7dbの差分(劣化)ピークがあるものの、FLAC-5より、1/3に減少している。(FLAC-0の方が劣化が少ない)

 


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