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レコードのハイレゾ化のススメ

 

【第2部】実践編 

「レコードのハイレゾ化のススメ」はハイレゾ化への準備からスマホで聴くための非可逆圧縮(AAC・MP3)を行うまでの3部構成になっています。

 

 

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ハイレゾ録音のヒント

 

Hint
1
レコード洗浄は、ほどほどに

  • 中性洗剤などで洗浄した後は、自然乾燥で2日以上乾燥させる必要があります。 洗浄後すぐにレコード再生すると、プチノイズが増大することがあります。 また、中性洗剤が残っていると、針先に、洗剤などの微物が、針先に付き、音割れの原因になります。 また、激落ちくんでレコードを擦ると、レコードの音溝を削り、高域の減少につながり危険です。
  • 結論として、一般的なレコードクリーナでレコードをブラッシングしてホコリを除去し、ある程度のプチノイズは許容して、録音ソフトのノイズ抑制機能を使いプチノイズを抑えるのが良いと思います。 例えば、VinylStudioを使えば、劇的にプチノイズの抑制効果が期待でき、これこそ、レコードのハイレゾ化の大きなメリットと言えます。
アプリでプチノイズ抑制

 

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Hint
2
スタイラス(針)のクリーニング

針先は、レコードの終わりに近づくにつれ、徐々に微物が針先に蓄積してくると、内周歪と相まって音割れが生じる危険性があります。 この音割れは、プチノイズと違ってデジタルで抑制処理が出来ず、録音のやり直しが必要になります。 このリスクを避けるため、スタイラスのクリーニングは、録音前にこまめに実施することが望ましいです。

クリーニング方法は、「乾式」「湿式」「粘着式」の3つの方式があります。

  • 「乾式」はカートリッジに付属しているハケを使って針先の汚れを除去する一番安全な方法ですが、根気を要します。
  • 「湿式」は、薬液で汚れが良く取れますが、カートリッジによっては禁止されている方式ですので注意が必要です。(スタイラスチップとカンチレバーの接着剥がれに繋がりかねない)
  • 「粘着式」は粘着性を有するポリウレタンゲルで、針先をゲルに接することで汚れをゲル側に吸着させます。 操作が簡単ですので、こまめにクリーニングすることができます。

以上からベストチョイスは「粘着式」と「乾式」の併用が良いと思われます。

針先クリーニング事例

♬ クリーニング前後のサウンド

ヴェルディのTROVATOREのレコードをハイレゾ収録した時のスタイラス(カートリッジの針)の汚れをクリーニングして音割れ(音のカスレ)を改善した事例です。

「粘着式」と「乾式」を併用して針先のクリーニングを行った後の画像を示します。

DENON DL103Rカートリッジ・スタイラス

SHURE V15Type3 VN-35HE用交換針

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粘着式 針先クリーナを使う

audio-technicaの「AT617a」は、カートリッジの針先を粘着面に軽く押し当てて針先の汚れを除去すると言われれています。 レコード収録開始時と終了時に、この粘着式 針先クリーナを使うことをオススメします。

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湿式 針先クリーナを使う

湿式タイプは、カートリッジによっては、禁止されている場合があります。 例えば、オルトフォンのWebページに「針先のクリーニング時に液体を用いた湿式スタイラス(針先)クリーナーは使用しないでください。湿式クリーナーの使用は、カンチレバーの破損や腐食、スタイラスチップの脱落や損傷を招く恐れがあります。また、カートリッジに湿式クリーナーを塗布しすぎるとクリーナーに含まれた水分がカートリッジ内部に侵入したまま残り、内部のパーツを傷める恐れもあります。 このため、オルトフォンのカートリッジ針先をクリーニングする際は、必ず製品付属もしくは市販の乾式(液体の付いていない)ブラシを用いるようにしてください。」との記述があります。

 

Hint
3
スタイラス(針先)状態の確認

カートリッジのスタイラスを針先クリーニングした後で微物の付着有無を確認してみたい時があります。 

デジタル・マイクロスコープは、ピンからキリまでありますが、頻繁にスタイラスの状態を確認する機会は少ないので、廉価版の中国製のJiusion デジタル・マイクロスコープ(解像度は640✕480 ¥2,399)を使用しても20倍〜≒100倍程度は確保できますので実用上は問題なくスタイラスの状態を確認できると思います。

詳しくは、下のブログ記事を参照ください。

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デジタル・マイクロスコープでレコード・カートリッジのスタイラス(針先)を確認する

カートリッジのスタイラスを針先クリーニングした後で微物の付着有無を確認してみたい時があります。  ネットで調べると、針先を見る倍率は約40倍程度が必要とのことで、倍率が40倍程度のデジタル・マイクロス ...

 

Hint
4
トラッキングエラーの調整(確認)

トラッキングエラーとは、レコードのカッティングマシンとスタイラスの位置ズレです。 レコードのウイークポイントは、構造的に内周に向かって、線速度が低下しますので徐々に高域再生レベル(情報量)が低下し更にトラッキングエラーがあると、内周歪で音がビリ付くことがあり得ますので、カートリッジ毎にゲージを使ったトラッキング調整(確認)が必要です。

ゲージ(調整ルーラ)の使い方

  1. レコードプレーヤーのターンテーブルシャフトに調整ルーラーを置きます。
  2. ゲージとアームを動かして、スタイラスをポイントAにドロップします。 頭の角度を調整して、スケールの前縁と水平線が水平に保たれるようにします。 これにより、鏡の反射が助長されます。
  3. ゲージとアームを動かして、ポイントBでスタイラスをドロップします。  カートリッジの先端がスケール上のグリッド線と正方形であることを確認します。
  4. 2点で正方形が形成されるまで、手順2と3を繰り返します。 ネジを緩めてカートリッジを動かし、締め付けた後、カートリッジ固定ネジを締めます。

<<ゲージ使用法:原文まま表記>>

 

Hint
5
録音フォーマットについて

  • 折角、歴史的レコードを録音するのですから、24Bit、192KhzでFlacフォーマットが良いと思います。(盤質やレコードの音質に難がある場合は96Khzの選択もありと思います)
    尚、高域ノイズの面からDSDフォーマット録音は、避けたほうが得策と思います。レコードをハイレゾ化するならDSDかPCMか?を参照してください。
  • 録音のビット深度は24Bit以上にすべきで、16Bitはお勧めしません。 これは、ビット深度が16bitですとノーマライズ(音量の正規化)処理した時の尤度が減じ、24bitよりも3桁ほど歪率(量子化歪)が悪化するからです。

 

Hint
6
録音レベルは低めに

レベルメータ

最大レベル(フォルテ)時、フルスケールの半分以下に録音レベルを設定します。 何よりも録音をクリップさせないことが重要で、24bitのBit深度があれば後から、必要なゲイン調整を余裕で 「ノーマライズ」をすることが可能です。

ノーマライズは最大音量を-3dbに設定するのがオススメです。

また、VinylStudioの場合、例えばレコード2枚組アルバム・4面を録音した後、アルバム全体のノーマライズを行えばアルバム全体を見渡したゲイン調整を行うことも可能です。

 

Hint
7
ノイズ抑制のこと

レコード再生におけるノイズは、音溝の微物や傷などで発生するスクラッチノイズ(いわゆるプチノイズ)とレコード再生のウイークポイントである低域に関する低域共振(トーンアームに起因)やハム(商用周波数に起因)ノイズがあります。 録音ソフトのVinylStudioは、これらのノイズを抑制するクリック修復機能やランブルフィルタ、ハムフィルターを有します。

「低域共振・低域ノイズ抑制の設定」

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ハイレゾ録音アプリ(VinylStudio)の紹介記事

 

ハイレゾ化した音源を聴くには

ハイレゾ化したファイルの一般的な再生方法は、以下の3つの方法があります。

  1. PCオーディオ(DAC)で再生する。
    最も一般的な方法として、DA変換器をハイレゾ化ファイルが保存されているPCにUSB接続しDA変換器のオーディオ出力をヘッドフォンやオーディオアンプに接続し再生する。 但し、一々DA変換器接続する必要があり面倒。
  2. ネットワークプレーヤで再生する。
    パイオニア、YAMAH 、LINN等 多くのメーカから製品化されている。 Wi-FiネットワークやNAS(Network Attached Storage)を立上げて再生する必要があり面倒で、ネットワークのトラフィックが遅いと、音が途切れる場合が想定される。
  3. HDDオーディオプレーヤ(Sony HAP-Z1ES,HAP-S1)で再生する。
    HDDへ音源ファイルを転送が面倒と言う側面がありますが、一旦HDDへ音源ファイルを転送してしまえばネットワークトラフィックなどに悩むことなく、即時音楽再生が可能

夫々は一長一短がありますが、純粋にオーディオを楽しむなら、音源を一元管理でききる「HDDプレーヤ」(HAP-Z1ES、HAP-S1)で再生する方法がベストな選択と思ってましたが残念ながら生産終了した様です。 後継機を期待したいところですが、これからは上記2項目のNAS(amazonリンク)にハイレゾ音源を転送して「ハイレゾ・ネットワークプレーヤ(amazonリンク)」で聴くのがベストチョイスかも知れません。

Sony HAP-Z1ES、HAP-S1とも、2020/02/07で生産完了した様です。 残念ながら、後継機の情報はありません。 まだ、ネットで販売されている様ですが、時間の問題で入手で出来なくなります。

HAP-Z1ES再生対応コーデック

DSDIFF(DSD)●(2.8MHz, 5.6MHz) 
DSDIFF(DST) -DSF●(2.8MHz, 5.6MHz)
WAV(LPCM)●(最大192kHz/32bit) 
AIFF(LPCM)●(最大192kHz/24bit) 
FLAC ●(最大192kHz/24bit) 
ALAC ●(最大192kHz/24bit) 
WMA ● MP3 ● AAC ● ATRAC(NON DRM)


姉妹機 500GB HDD パワーアンプ内蔵”HAP-S1” をAmazonで確認

 

レコードがパブリック・ドメインか?を調べるには

「TPP整備法」の発効により、著作権法が改正され、2018年12月30日で著作権の保護期間が50年から70年に延長されました。 ただし、著作権法においては,一度保護が切れた著作物等については,その保護を後になって復活させるという措置は採らないという原則もあります。 このため、例えば保有しているレコード(音源)がパブリックドメインに該当するものか否かを判定(計算)するのが複雑で面倒になりました。

そこで、下のブログ記事に「レコードのパブリックドメイン(目安)チェッカー」を用意してみましたのでご利用ください。

 

レコードをデジタイズしたハイレゾ・サンプル音源

ハイレコ音源の
ダウンロードコーナ

ここをクリックしてサンプル音源を聴いてみてください

 

以上、基本的なレコードのハイレゾ化へのヒントでした。

 

【第3部】AAC・MP3への変換編へ

ハイレゾ録音した音源を出来るだけ音質を落とさない様にAAC(又はMP3)変換するためのヒントです。

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