広告 ハイレゾレコーディング

LPレコードをハイレゾ録音した演奏時間をAudacityでアジャストする

スポンサーリンク

 

LPレコードをハイレゾ録音(以下、ハイレコ音源に略します)した後、演奏時間を測ると同じ録音ソースのCDやDL購入した音源の演奏時間に差が生じることがあります。(「ターンテーブルの回転数偏差をチェックする」参照)

前回のブログで記事にした「カラヤン指揮・ブラームス交響曲2番の4楽章」e-onkyoからDL購入したハイレゾ音源(以下、DL購入音源に略します)でも演奏時間に差がありました。  そのDL購入音源を聴いて見ますとストリングスの線は細いが、弦の音の刺々しさが少ない音色でしたので、もしかして音色の差は演奏時間差に因っているかも知れないと思いハイレコ音源の演奏時間を調整することにしまた。 Audacityを使えば演奏時間の調整を簡単に行うことできますのでこの調整方法についてブログしてみたいと思います。

ポイント

Audacityには、音源のタイムベースを変えることが出来る「スピードの変更」という機能がありますので、この機能を利用して 演奏時間を合わせることができます。 Audacityはフリーソフトながら本当に素晴らしい機能を持つたソフトですね!VinylStudioにもこの機能が欲しいところです。

 

 

スポンサーリンク

 

 

ハイレコ音源とDL購入音源のエンベロープ

1.夫々の音源について

両音源とも、24bit 96khzのFlacフォーマットです。
ハイレコ音源のフィルター条件は ランブルフィルターはON それ以外のEQフィルターなどはoffしています。

2.夫々の音源をAudacityに取り込みます。(取り込み方法は割愛しますが、詳しくはAudacityManualを参照してください)

エンベロープ上段の1、2列がハイレコ音源のステレオトラックで、3,4列がDL購入音源のステレオトラックになっています。

演奏の開始点の合わせこみー①

先ず演奏の始点を正確に合わせるために 分かりやすい目印として先頭のフォルテの部分に着目してズームボタンblankで時間を拡大します。

blank

ハイレコ音源とDL購入音源の先頭のフォルテ部分をドラッグ選択し、ずれ時間(↔赤矢印)を測定します。  ↔赤矢印のずれ幅時間は、赤丸部分に表示されている2.829sがずれ時間になります。

blank

 

ハイレコ音源の先頭から、2.829sをカット(削除)して、先頭開始点・時間を合わせます。

その結果は、スナップ波形の様に揃えることができました。

 

演奏時間差の測定

両者の先頭時間が合ったので、今度はエンベロープの右端のフィナーレのフォルテ部分の時間差を調べます。

blank

フィナーレのフォルテ部分を拡大して、両者の時間差を測定するために先頭のフォルテ部分をドラッグ選択します。

blank

上の図の、数字の部分を着目してしてください。 ドラッグにより選択した先頭時間が、8分52.243秒(=532.243秒)で、↔赤矢印のずれ幅時間は、赤丸部分に表示されている1.556秒です。 つまり、ハイレコ音源は、DL購入音源に対して、1.556s短く、率に直と、-0.29%演奏時間が短いという結果でした。 この結果は、例えばDL購入音源に1khzの純音が記録されているとすると、ハイレコ音源では、1002.9hzが再生されることになります。 一般的には、1khzに対して3hzのズレは、殆ど認識されないこということですが、音色差を生じさせるような気がしますね。

 

演奏時間の合わせ込みー②

では、ハイレコ音源をDL購入音源の演奏時間に合わせます。 その手順は以下の通りです。

1)ハイレコ音源のトラックの”Track Control Panel ”の空白部分をクリックしてトラック全体を選択します。

2)Audacityのエフェクトにある、スピードの変更をクリック

先程測定した、-0.29%を変更率(%)の窓に入力します。

blank

OKを押すと、以下のようにフィナーレのフォルテ部分が一致し、ハイレコ音源とDL購入音源の演奏時間とほぼ一致させることができました

ポイント

前記の「演奏の開始点の合わせこみ−①」に戻り開始点を再確認してください。 開始点がズレていれば、「開始点の合わせ込み−①」〜「演奏時間の合わせ込み−②」を繰り返しますと更に正確に演奏時間を合わせ込むことができます。

 

演奏時間の調整が完了したら

ハイレコ音源の演奏時間の合わせ込みが完了したら、ハイレコ音源のトラックの”Track Control Panel ”の空白部分をクリックしてトラック全体を選択しておきます。

「ファイル」→「Export」→「選択したオーディオの書き出し」を選んで24bit 96khz Flacフォーマットで音源を書き出します。 MP3での書き出しも同様の手順で書き出します。

 

では、ハイレコ音源を試聴してみます

 

1.時間補正後の音源

 

2.時間補正前のオリジナル音源

 

ポイント

結論から言いますと、我が家のB級オーディオでは、調整前後の音色の違いは感じられませんでした。 オリジナルの演奏時間を0.29%伸長させた程度では、音色に影響を及ぼすものでは無いと言えそうです。

ところで、DL購入音源と演奏時間をアジャストしたハイレコ音源の音質を比較しますと、DL購入音源は、確かにストリングスの線は細く、弦の音の刺々しさが少くない、おとなし目の音色です。 一方、アジャストしたハイレコ音源は、エネルギッシュで力強く聴こえますが解像度は低めです。 全体的に言えば、ストリングスの鮮度の高さからDL購入音源に軍配を上げます。 このハイレコしたLPレコードはもしかして、高域の鮮度の低さから、再発盤かもしれません。(このレコードの録音は1963年でしたが、レコード内周無音溝を観察すると、P1964の刻印がありました。)

 

以上、Audacityで演奏時間をアジャストする方法とその試聴結果でした。

 

 

スポンサーリンク

 

スポンサーリンク

 

t