CDで再生されるストリングスの音は何故、違和感を覚えるか?  (簡易検証編)

投稿日:2016年9月21日 更新日:

 

 

 

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1.CDフォーマットの音質評価を可視化する検証方法の検討

先ず考えたのは、下図の様に、LPレコードをハイレゾフォーマットで録音(ファイル化)し、このファイル(基準A)をCDフォーマット(B)に落とした後、夫々のフォーマットファイルをAudacityの周波数分析機能のテキストデータ・書き出し機能を使えば夫々のファイルの周波数と振幅(dB)がテキストデータとして出力されます。

そして、ハイレゾ(基準A)とCDフォーマット(B)の周波数に対する振幅(dB)の差を求めれば、振幅誤差(dB)を得られるのでは無いかと思い至りました。

しかし、この方法は、サンプリング周波数の違いで、スペクトルの測定周波数ポイントが異なるので、比較出来ません。

Pasted Graphic 5

このため、次の手段として、ハイレゾフォーマットファイル(基準A)とCDフォーマットファイル(B)をアナログ再生しAD変換➡ハイレゾ録音すれば、(基準A)と(B)はハイレゾフォーマットファイルのhigh(基準A)とhigh(B)になり共通のサンプリング周波数になります。

このhigh(基準A)とhigh(B)を夫々Audacityで周波数分析しテキストデータの書き出しを行い、このテキストデータをExcelに取込めば、周波数ポイント毎の振幅差(=誤差)をグラフ化(可視化)することが出来ます。

但し、オリジナル音源からのダウンコンバート誤差(不明)やAD変換が重複する等、誤差の不確定要素がありますが、簡易的な評価は可能ではないかと思われます。

以上の手順を纏めたものが、下図の簡易検証手順です。

 

<簡易検証手順>

2.簡易検証方法の具体化

1)LPレコードソース

ストリングス成分の多い、カラヤン指揮ベルリン・フィル 1962年録音をベートーベン交響曲第8番2楽章の一部(約27秒)を使用

2)AD変換・録音➡各フォーマットに分離

GT40αでAD変換しVinylStudioでハイレゾフォーマット24bit 192khzでオリジナル録音
オリジナル音源をAudacityに取込み、以下の様にwavファイルとして4ファイルに分離
①24bit 192khz ②16bit 44.1khz(CDフォーマットへダウンコンバート)③16bit 192khz ④24bit 44.1khz

例として ①24bit 192khzのwavファイルの波形を示します。

3)再生・録音

再生:フォーマット違いの4つのファイルをHDDプレーヤ(sony HAP-Z1ES)に取込み、連続再生
録音: 連続再生をGT40αでAD変換しVinylStudioで24bit 192khzで録音した後、4つのファイルに分割

4)Audacityで周波数分析

個々のfile毎に周波数分析を行い、スペクトルデータをtxtとして書き出す。

<スペクトル・テキストファイルの例>

スペクトル条件
関数窓:hanning
大きさ:65535

5)Excelによる検証

書き出された4つのスペクトルデータ(txtファイル)をExcelに取込む
周波数毎に24bit,192khzフォーマットを基準にして、CDフォーマットとの振幅を差分し誤差を求める。
フォーマット違いによる周波数と誤差のグラフ化(散布図)⬅可視化

<Excelに取り込んだ例>

  • CDフォーマット ➡録音前フォーマットが16bit,44.1khzを示す
  • 16192フォーマット➡録音前フォーマットが16bit 192khzを示す
  • 24441フォーマット➡録音前フォーマットが24bit,44.1khzを示す

 

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3.簡易検証の結果

1)CDフォーマット誤差

エイリアシング防止のためハイカットされているため 21khz付近でマイナス誤差が増大している。

<スケール拡大>

低周波から誤差が徐々に増大し、 エイリアシングの影響? か14khz付近より極端に誤差が増大

2)16bit 192khzフォーマット誤差

CDフォーマットに比べ誤差は少ないが10khz以上から誤差増大

3)24bit 44,1khzフォーマット誤差

CDフォーマットよりも、20khz付近の暴れが少ない

<スケール拡大>

CDフォーマット誤差と同様に、低周波から徐々に誤差が増大している。 但し、CDフォーマットにあった、14khz付近の暴れは無い。

 

4.簡易検証結果のマトメ

1)フォーマット違いの誤差グラフから、音質の優位順位としては、以下の通り

フォーマットが24bit 44khzよりも、16bit 192khzの方が誤差が少なかったことから、ビット深度よりもサンプリング周波数の方が誤差に対して優位にある様に思われます。

2)聴感上の違い確認

4つのフォーマットを再生したところ、聴感で、オリジナル音源と比較して若干CDのストリングス音質の深みが低下しているように思われますが、極端に判別できる有意差は、感じられませんでした。

3)マトメ

以上の簡易検証より、CDフォーマットは、 低周波から徐々に誤差が増大し、更に14khz付近から誤差の暴れが生じているのが可視化でき、これが、CDで再生されるストリングスの音に違和感を感じる原因かも知れません。 また、ハイレゾフォーマットへの優位性も確かめられたと思われます。

 

「簡易検証編その2」へ続く

 


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