SONYのHDDオーディオプレーヤは、内臓のHDDに音源ファイルを転送し内蔵DACで再生するものです。 2013/10/26の発売です。
購入して9年に亘り使用した経験から、LPレコードをハイレゾ化してHAP-Z1ES に取り込み再生することが音質面、使い勝手面から見て最大のメリットでは無いかと感じています。
Sony HAP-Z1ESは、2020/02/07で生産完了した様です。 残念ながら、後継機の情報はありません。 まだ、ネットで販売されている様ですが、時間の問題で入手で出来なくなります。
LPレコードをハイレゾ化してHAP-Z1ESで再生
LPレコードのハイレゾ化
一昔前ならLPレコードを録音するには、オープンリール等で録音し保存して居た方は多くいらっしゃたと思います。 LPレコードを録音する意味は、一々レコードに針を落とすのが面倒で、過って針やレコードを破損することも多々経験するところだったからでした。 時代は、LPレコードからCDやSACDに置き替わり、わざわざLPレコードをハイレゾ化する必要は無いと言われるかも知れません。
しかし、昔のLPレコードを聴くと何故か、特にストリングスの音が自然に聞こえ驚かされます。
何故?レコードサウンドが好ましく聴こえるか? レコードがCDよりも好ましく聴こえる要因として、推論になりますが下記の要因が考えられます。 詳しくは、弊記事「CDと比較してアナログレコードの音質が好ましいのは何故?」を参照してください。
- 高域の聴きやすくなる要因:
テストレコードで1khz正弦波を再生すると、6khzまで整数倍のハーモニクスが観測されます。 このハーモニクスは、カートリッジ特有の歪でカートリッジの音色を与えるものと考えられ、これが高域を聴きやすくさせる? - 音の広がりを感じる要因:
カートリッジのクロストークに逆相成分が含まれているために音の広がりを感じさせる? - CDの弱点から生じる要因:
CDフォーマットの22.05khzで制限されるサンプリング周波数とビット深度(16bit)に伴う量子化ノイズの発生
以上の要因から、昔のLPレコードの音質の方が好ましいのですから、LPレコードやカートリッジの寿命を考えても、LPレコードを録音して残す意味があります。
そこで、LPレコードを録音するには、今やオープンリールを使う意味は無く、簡単にしかもヒスノイズ無くAD変換しハイレゾ化することが容易に行える時代になりました。更に、不要なプチノイズもレコーディングソフトで簡単に抑制することも可能になりました。
「レコードのハイレゾ録音へのヒント(Tips)」を見る。
HAP-Z1ESで再生
レコードのハイレゾ化ファイルを HAP-Z1ES に転送すれば、LPレコード音源をデータベース化してアーカイブでき、スマホやタブレットなどでコントロールして、アーカイブしたハイレゾファイルを再生することが可能になります。
LPレコードのハイレゾ化とHAP-Z1ESの組合せは、非常に親和性の高いスマートな選択です。
一般的なハイレゾファイルの再生方法とHAP-Z1ES
ハイレゾ化したファイルの一般的な再生方法は、以下の3つの方法があります。
- PCオーディオ(DAC)で再生する。
最も一般的な方法として、DA変換器をハイレゾ化ファイルが保存されているPCにUSB接続しDA変換器のオーディオ出力をヘッドフォンやオーディオアンプに接続し再生する。 但し、一々DA変換器接続する必要があり面倒。 - ネットワークプレーヤで再生する。
パイオニア、YAMAH 、LINN等 多くのメーカから製品化されている。 Wi-FiネットワークやNAS(Network Attached Storage)を立上げて再生する必要があり面倒で、ネットワークのトラフィックが遅いと、音が途切れる場合が想定される。 - HDDオーディオプレーヤ(Sony HAP-Z1ES,HAP-S1)で再生する。
HDDへ音源ファイルを転送が面倒と言う側面がありますが、一旦HDDへ音源ファイルを転送してしまえばネットワークトラフィックなどに悩むことなく、即時音楽再生が可能
夫々は一長一短がありますが、純粋にオーディオを楽しむなら、音源を一元管理でききる「HDDプレーヤ」(HAP-Z1ES、HAP-S1)で再生する方法がベストな選択と思ってましたが残念ながら生産終了した様です。 後継機を期待したいところですが、これからは上記2項目のNAS(amazonリンク)にハイレゾ音源を転送して「ハイレゾ・ネットワークプレーヤ(amazonリンク)」で聴くのがベストチョイスかも知れません。
Sony HAP-Z1ES、HAP-S1とも、2020/02/07で生産完了した様です。 残念ながら、後継機の情報はありません。 まだ、ネットで販売されている様ですが、時間の問題で入手で出来なくなります。
HAP-Z1ES再生対応コーデックと姉妹機
対応コーデック
DSDIFF(DSD)●(2.8MHz, 5.6MHz)
DSDIFF(DST) -DSF●(2.8MHz, 5.6MHz)
WAV(LPCM)●(最大192kHz/32bit)
AIFF(LPCM)●(最大192kHz/24bit)
FLAC ●(最大192kHz/24bit)
ALAC ●(最大192kHz/24bit)
WMA ● MP3 ●
AAC ● ATRAC(NON DRM)
姉妹機 HAP-S1
注意:ハイレゾファイルをHAP-Z1ESへのコピー(転送)
HAP Music Transferを使用して、コピーするとエラーになり、コピーに失敗する時がありました。
原因は、UNIXのファイル名に関わる、文字使用制限と思われます。 ハイレゾレコーディングソフト・VinylStudioは、入力したアルバム名がフォルダー名になるため、入力するとき、演奏者間にスラッシュ「/」を入れるとHAPトランスファーコピーが完了する寸前にコピーが失敗します。
この「/」を避けたら正常にコピー出来るようになりました。 具体的には、ファイル名にスラッシュ「/」を避けること。
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